南三陸町の挑戦!フィンシープ導入の新ファンド
南三陸町に位置するさとうみ羊牧場株式会社が、持続可能な羊農業を目指し、新たに「さとうみ羊牧場ファンド」を立ち上げました。このファンドの目的は、多産羊「フィンシープ」を導入し、羊肉の生産性向上とともに新たな収益源を確保することです。
背景と導入の目的
近年、健康志向の高まりを受けて、羊肉に対する関心が高まっています。特に、グルメ層からは質の高い国産羊肉を求める声が増えています。しかし、日本の羊農業は長年にわたり縮小傾向にあり、現在の食肉用羊の自給率は1%未満という厳しい状況が続いています。後継者不足や経済的な課題も深刻で、持続可能な飼育体制の確立が急務となっています。
さとうみ羊牧場は、東日本大震災を受けて地域の復興支援の一環として、南三陸町の自然と海藻を活用し「南三陸わかめ羊」のブランドを展開してきました。この取り組みはメディアでも多数紹介され、地域循環型のモデルとして高く評価されています。
フィンシープ導入によるメリット
今回、さとうみ羊牧場が導入を試みるフィンシープは、ニュージーランドの優良品種で、羊の産仔率が世界トップクラスです。過去にも日本で試みられたことはありますが、本格的な繁殖と実用化に向けた挑戦は約40年ぶりのことになります。フィンシープを導入することで、「南三陸わかめ羊」の増産を図り、収益性を向上させることを狙っています。また、フィンシープの生体を全国の羊農家に普及させることで、羊牧業全体の拡大にも寄与する意向です。
ファンドの概要
「さとうみ羊牧場ファンド」は2025年2月から4月末までの間に設立され、1,200万円の募集を行います。この出資金は、フィンシープの導入にかかる飼育設備や繁殖管理体制の整備に使用されます。また、出資者にはオンラインショップで利用できるクーポンや、試食会への招待といった特典も用意されています。
ファンドの詳細は
こちらからご覧いただけます。
代表のメッセージ
さとうみ羊牧場のCEO、金藤克也氏は「日本の羊産業は、今、静かに転機を迎えている」と述べています。彼は、かつての停滞を超えて再び歩み出す準備が整っていると信じています。「40年前に果たせなかったフィンシープの可能性を、南三陸町から全国の羊農家、そして未来の担い手へとつなげていきたい。この挑戦は私たち一人では実現できません。共に信じて、歩んでくださる仲間を心よりお待ちしています」と続けました。
このファンドは、地域経済の発展に寄与し、持続可能な羊肉の供給を実現する大きな一歩です。南三陸町から日本の羊農業に新しい風を吹き込むこの挑戦に、多くの人々が関心を寄せることを期待しています。