東京大学と企業が手を組みEVの充電をスマート化する「Plug & Charge」技術

電気自動車（EV）の普及は、充電インフラの整備と充電方法の利便性がカギを握ります。最近、東京大学とユアスタンド、日東工業、三菱自動車の4社が手を組み、EVと充電器を更に便利にする「Plug & Charge（PnC）」の実現に向けた実証実験を行いました。この取り組みでは、従来のように充電専用カードやアプリを必要とせず、充電プラグを接続するだけで自動的に充電が開始される仕組みを目指しています。

背景

EVが広く普及するためには、充電の利便性が不可欠です。特に普通充電では、EVと充電器がどのように識別されるかが重要なポイントです。これまでの技術では、専用のツールが必要でしたが、PnCの導入により、充電開始がより簡単に行えるようになります。これは東京大学の特任准教授、馬場博幸氏によって提案された技術で、相互のデータ照合により充電が自動化されるシステムです。

実証実験

今回の実証実験においては、日東工業が提供する普通充電器『Pit-2G』と、三菱自動車の軽商用EV『ミニキャブEV』を使用しました。この2つが協働することで、充電中に送信される電流データが照合され、EVが特定されます。具体的には、充電プラグが挿入されると、充電器とEVから送られる電流に関するデータを照合し、一致すれば自動的に充電が開始される仕組みです。この結果、実験では高い応答性が得られ、技術の実現性が確認されました。

今後の計画

今後、関係各社はこの技術を基に新しいサービスの実用化を進めていく予定です。PnCにより、充電にかかる手間が省かれることで、さまざまな新サービスの展開が期待されています。例えば、特定のEVが接続された際に、そのEVに最適な充電プランを提供するスマート充電サービスや、個々のEVオーナーに充電量に応じた電気代を請求するシステムの構築などが考えられています。

まとめ

以上の取り組みは、EVの充電における利便性向上だけでなく、持続可能なエネルギー利用の促進に寄与することが期待されます。各社は引き続き、この技術の実用化に向けて努力を重ねていきます。本プロジェクトの進捗は、東京大学の生産技術研究所やユアスタンドなどが随時報告します。

詳細については、各社の公式ウェブサイトもぜひご覧ください。今後のEV充電のあり方が大きく変わる瞬間が、私たちの目の前に迫っているのかもしれません。