小川島の中学生が唐津で「海と里山の未来」を学ぶ2日間
佐賀県唐津市にあるNPO法人、唐津Farm&Foodが主催したこのインターンシップは、10月22日と23日に開催され、小川島の中学2年生が参加しました。彼らは、海洋プラスチックのリサイクルや地域の自然と調和した生活を学び、その中で自身の未来を考えることに挑みました。
小川島の背景
小川島は唐津市の沖合に位置する美しい離島です。過去には捕鯨で栄え、漁師や捕鯨船で賑わっていましたが、現在は人口の減少と高齢化が進んでいます。しかし、豊かな海と自然、そして文化を活かした環境教育やツーリズムが注目を集めています。近年、玄界灘に漂流する海洋プラスチックごみの問題も深刻化しており、地域の再生が亜度の課題となっています。
唐津Farm&Foodは、2021年から海洋プラスチックのアップサイクルに取り組み、地域資源を利用した持続可能な開発のための教育(ESD)を積極的に進めています。「Precious Plastic 唐津」や「自然共生サイト横枕」など、地域資源の再利用を中心としたプログラムを展開しています。
インターンシップの初日:海と資源の循環を学ぶ
1日目は、唐津市浜崎海岸や東の浜を訪問し、マイクロプラスチックの現状を視察しました。環境意識の高いカフェ「Jack Coffee Stand」も訪れ、地域の取り組みについて学びました。終了後、株式会社リプラテックスを訪れ、実際にプラスチックのリサイクル工程を体験しました。生徒たちは細断機を用いてプラスチックを粉砕し、漂着ごみが新たなリサイクル素材に変わる様子を見学しました。
2日目:ものづくりと観光の未来を考える
次の日は、「Precious Plastic 唐津」の工房で、射出成型機を使った制作体験を行いました。小川島の形をしたキーホルダーや、クジラをモチーフにした商品を制作し、地域の廃プラスチックをアップサイクルした作品を通じて、観光資源としての可能性を探りました。
また、完成した作品を持ち、唐津市役所のブランド推進課を訪問しました。そこで、地域の魅力を発信するための意見交換を行い、「イカの漁獲量が減少している中で、新しい魅力を作りたい」との想いを伝えました。
自然共生サイトの視察
午後には、佐賀県初の『自然共生サイト(OECM)』として認定された、相知町横枕地区を訪問しました。この地域は、環境省の定める認定基準を満たしており、地域の伝統行事や希少な生物が生育する環境が背景となっています。彼らは、唐津ミツバチプロジェクトや地域の自然を活かした取り組みについて学びました。
ESD拠点としての未来
唐津Farm&Foodは、今後も離島や地域の中高生を対象に、持続可能な学びを提供するプログラムを継続していく意向です。「自然と共に生きる学び」を広げ、地域文化や自然とのつながりを深めることで、次世代に豊かな地域を引き継ぎたいと考えています。参加した中学生たちが、この経験を通じて未来への希望を育むことができると信じています。
今後も、地域資源を活用した持続可能な取り組みが期待される中、小川島の中学生たちが作ったメッセージが、さらなる未来へとつながります。