Nonagon Capitalが新たなブロックチェーンプロジェクトを発表
今年、Nonagon Capitalが米国サンフランシスコ・ベイエリアにおいて、プライバシー重視のブロックチェーンプロトコル「INTMAX」のブロック・ビルダー(ノード)運用を開始しました。この新たな取り組みは、プロジェクトの先進性や活用の可能性を示唆しています。
INTMAXとは何か?
INTMAXは、スイスに本社を置くRyodan Systems AGによって開発された新しいプロトコルです。このプロトコルでは、処理能力が高く、手数料が低いことに加えて、プライバシー保護を同時に実現することが特徴です。特に、プライバシー・マイニングという独自の手法を用いることで、利用者や企業のプライバシーを守る仕組みが構築されており、貢献に対して報酬が支払われる仕組みも整っています。
さらに、2025年8月27日には、国内企業2社と連携したINTMAXブロックチェーンの実証実験が予定されており、次世代データセンター事業モデルの確立を目指しています。この実証実験では、ゼロ知識証明を利用したプライバシー保護やIoTデバイス統合の検証が行われる予定です。
Web3時代におけるプライバシーの重要性
ブロックチェーン技術は、その透明性によって取引内容を検証することが可能ですが、逆に個人や企業の取引履歴が簡単に追跡されるリスクも伴います。ユーザーのプライバシーを保護することは、デジタル決済や医療データ管理、IoTデバイスとの連携など、さまざまなユースケースでの安全性を担保するために不可欠です。イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏も「透明性とプライバシーの両立が持続可能な社会インフラの鍵」と繰り返し強調しています。
プライバシー技術への関心の高まり
最近、米国を中心に暗号資産に関する規制が整備される中、プライバシーを重視するプロトコルへの注目が高まっています。この流れにおいて、匿名性の高いZcashやMoneroなどの暗号資産が注目を集めており、特にZcashは価格が急上昇しており、その運用に関わるノードの数も大幅に増加しています。これにより、INTMAXも多くの注目を集めるプロジェクトとなっています。
ゼロ知識証明とプライバシー保護
INTMAXでは、ゼロ知識証明という暗号技術を基盤にしています。この技術により、データそのものを開示せずに正当性を証明できるため、トランザクションのプライバシーが保たれます。つまり、誰が誰に、いくら送金したかを外部に知られることなく行うことが可能となるのです。この機能は、特に企業間での送金にも大きなメリットとなります。
今後の展望
今後、Nonagon Capitalはさらなるブロックチェーンやプロトコルの運用対象を拡大していく意向です。また、得られた知見を活用し、国内企業におけるWeb3領域での実用的なユースケースの創出支援にも努める計画です。これにより、次世代インフラとしてのブロックチェーンの発展に寄与することを目指しています。
技術ブログでの情報発信
INTMAXのブロック・ビルダー運用を開始するにあたり、さまざまなリサーチや試行錯誤を重ねてきました。具体的には、運用開始までのプロセスや得られた知識を技術ブログで公表しています。興味のある方はぜひこちらもご覧ください。
INTMAX Block Builderをゼロから起動:そして私は“ステートレスの深淵”を覗いた:前編
INTMAX Block Builderをゼロから起動:そして私は“ステートレスの深淵”を覗いた:後編
まとめ
Nonagon Capitalの取り組みは、ブロックチェーン技術におけるプライバシー保護の重要性を改めて浮き彫りにし、未来のデジタル社会における新たな可能性を示すものです。今後もその進展から目が離せません。