新たな連携がもたらすAIの安全性
Weights & Biases Japan株式会社(以下、W&B Japan)は、NTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ)と手を組み、AI技術の安全性を高める新たな取り組みを発表しました。この提携は、W&BのLLMOpsプラットフォームであるW&B Weaveと日本語向けのガードレール「chakoshi」との技術統合に関するものです。
技術連携の概要
この連携により、W&B WeaveはAIアプリケーション開発やデプロイ後のモニタリングにおいて、優れたオブザーバビリティーを提供します。具体的には、日本語に特化した入出力のモデレーションを簡単に行えるガードレール機能が追加されます。特に、生成AIにおける入出力プロセスの安全性を高めるためのモデレーションが実現します。
加えて、今回の取り組みは単なる製品連携にとどまらず、生成AI利用におけるガードレールの重要性や効果についてより深く理解するための共同ウェビナーが開催されます。このウェビナーでは、最新の技術を駆使した使い方や性能評価が紹介される予定です。
生成AIとガードレールの重要性
生成AIの社会実装は、多くの挑戦に直面しています。特に、リスク管理は非常に重要な項目の一つです。AIアプリケーションにおいて、モデレーションを行うことで不適切な内容を検知し、自動的に対処する仕組みは、リスク低減に繋がります。W&B Weaveは、これまでにさまざまなオブザーバビリティ基盤や評価ツールを提供してきましたが、日本語に特化したモデレーション機能は、この連携によって一層強化されます。
chakoshiの特徴
「chakoshi」は、LLMを活用したサービスをビジネスの観点から安全に運用するための技術です。具体的には、入力に潜む脅威や出力からのリスクをブロックする能力を持っています。APIを通じてお客さまのLLMアプリケーションと連携することで、インシデントリスクを検知し、効果的にリスク低減を図ります。これは特に日本語環境において、高い信頼性を誇ります。
関係者のコメント
NTTドコモビジネスの執行役員である福田亜希子は、「AIエージェントの時代において、安全性を高めることが重要です。私たちは、冗長性のあるリスク低減策を提供することを目指しています」と語りました。また、W&B Japanのカントリーマネージャーであるシバタアキラも、「この連携が日本のAI導入を加速すると確信しています」とコメントしています。
ベンチマーク評価分析の成果
W&B Weaveとchakoshiの統合により、生成AIモデルの性能にどのような変化が見られるのか、具体的に検証が行われました。Nejumiリーダーボードを参照した結果、特に安全性において改善が見られ、モデレーション機能の導入によって真実性や毒性に関する指標が大幅に向上したことが確認されました。
Weights & Biases Fully Connected Tokyo 2025への参加
さらに、NTTドコモビジネスは10月30日から31日にかけて行われるWeights & Biases年次ユーザーサミット「Fully Connected Tokyo 2025」にも参加します。会場では、chakoshiを体験できるブースも出展される予定で、参加者は新技術の詳細を直接確認できる貴重な機会です。参加は無料で、誰でも来場可能です。
まとめ
Weights & Biases WeaveとNTTドコモビジネスの連携は、生成AIの安全性を高める新たな可能性を示しています。日本語特化型のガードレールによって、AIアプリケーションの信頼性が向上し、社会への実装がさらに加速することでしょう。ウェビナーや年次サミットを通じて、これらの進展を多くの方に知っていただきたいと思います。