分身ロボットOriHimeがもたらす新しい就労のカタチ
神奈川県では、分身ロボットOriHimeを活用した障がい者就労モデル事業の報告書を発表しました。この試みは、令和元年度から始まり、在宅勤務を希望する移動が困難な障がい者が県職員として務めるという新しい形の就労支援です。
1. 目指した社会参加の拡大
このモデル事業の主な狙いは、障がい者の社会参加と就労機会の拡大です。特に、ALS患者である髙野元氏を県共生社会アドバイザーとして任用し、共生社会の実現に向けた助言を得ることから始まりました。また、難病を抱えるみさきさんも職員に迎え、彼女の経験や意見が反映された業務を行うことで、より包括的な社会づくりを目指しています。
2. OriHimeの力
分身ロボットOriHimeは、カメラ、マイク、スピーカーを搭載し、インターネットを通じて操作が可能です。このロボットを通じて、障がいを持つ方が「行きたい場所」にいるかのようにコミュニケーションをとることができるのです。実施場所としては、平塚市役所や小田原市役所、そして相模原市立あじさい会館などが挙げられます。
3. 報告書の内容
このたびの報告書では、以下のような内容がまとめられています。
- - OriHimeを使用した職務内容や勤務地に関するデータ
- - 実際に勤務していた職員や自治体担当者のコメント
- - 本事業を通じて学び取ったことや直面した課題
- - よくある質問に対する回答
県のホームページには、この報告書の電子データが掲載されていますので、興味のある方はぜひ確認してみてください。
4. SDGsに向けて
神奈川県は「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念に基づき、SDGsの達成にも寄与する取り組みを進めています。これらの活動は、障がい者が社会で活躍できる基盤を整えるだけでなく、地域全体の理解と協力を得ることも目的としています。
結論
分身ロボットOriHimeを通じて実現したこの新たなモデルは、障がい者が自身の能力を発揮できる機会を提供し、社会全体の意識改革を促進するものです。これからも多くの人々が活躍できる社会に向けて、県とともに進んでいきたいと思います。