サントリー、脱炭素を目指した水素ビジョンを発表
サントリーホールディングス株式会社は、2025年内に稼働を予定する「やまなしモデルP2Gシステム」に向け、同社の水素利活用の中長期計画「サントリーグリーン水素ビジョン」を2023年6月11日に発表しました。このビジョンは、水素を我が国の脱炭素社会実現に向けた主要なエネルギー源として位置づけ、官民連携による水素供給網の構築に貢献するものです。
水素社会の実現に向けた具体的な取り組み
サントリーグループは、山梨県内での水素の製造から物流、販売に至るまで、バリューチェーン全体を管理することを目指しています。特に、「水と生きるSUNTORY」というコーポレートメッセージのもと、再生可能エネルギーを活用したグリーン水素の生産を進めることに注力しています。
地産地消モデルの確立
同社は、山梨県という豊富な水資源に恵まれた地域で「やまなしモデルP2Gシステム」を構築。グリーン水素の地産地消モデルを創出し、自社での利活用だけでなく、県内作業への供給を通じて地域経済の発展にも寄与しています。これにより、グリーン水素の社会的受容性を高め、普及を促進する狙いです。
フェーズ1とフェーズ2の展開
「サントリーグリーン水素ビジョン」には、具体的な展開が含まれています。2025年には「やまなしモデルP2Gシステム」で製造したグリーン水素を、自社のナチュラルミネラルウォーター工場で利用します。また、白州蒸溜所においても水素を使用したウイスキー製造を検討しています。これに続くフェーズ2では、2027年以降、協業パートナーと一緒に国内で初めてグリーン水素の製造から販売を一貫して行う計画です。最終的には、山梨県内での流通と東京都への配送を両立させる方針です。
今後の展望とサステナビリティの使命
サントリーグループは、自社の様々な生産拠点での水素利活用の可能性を模索し続けます。中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議と連携し、熱源への水素利用も視野に入れて、2030年代の早期実現を目指します。このような取り組みは、同社の「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造する」という企業哲学のもと、持続可能な社会の実現に向けた一環であり、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指しています。
結論
「水と生きるSUNTORY」という理念を基に、水素という新たなエネルギー形態を積極的に取り入れ、温暖化防止に向けた具体的なステップを進めるサントリーグループ。このビジョンの実現に向けて、社内外のリソースを結集し、持続可能な社会に貢献する姿勢を崩さず、これからも革新的な取り組みを続けていくことでしょう。
参考リンク