米不足と価格高騰を乗り越えるグリーンコープの挑戦

米の安定供給を実現するグリーンコープの取り組み



米不足や価格の高騰が社会的な問題となっている中、一般社団法人グリーンコープ共同体は、米を安定的に供給する独自の仕組みを進化させています。本部を福岡市に置くグリーンコープは、西日本を中心に16の生協が協力し、国産米の価格と量の安定供給を目指しています。2024年度には約82万袋、5kg換算の「産直赤とんぼ米」を組合員に提供し、予約のあった分については全て供給することができました。

グリーンコープの独自の仕組みとは?



グリーンコープは、米の安定供給を実現するために生産者と消費者の新しい関係性を築いてきました。これまで消費者は、どこでも、また安価に米を手に入れることができましたが、近年の生産者の高齢化、後継者不足、さらには燃料・肥料の価格高騰により、安心で安全な米を得ることが難しくなってきました。米不足は季節的なものではなく、構造的な問題であると認識されています。

このような背景を考慮して、グリーンコープでは安心・安全な栽培方法で米を作る生産者に「生産奨励金」を支給しています。この仕組みは、組合員が購入する際の代金から積み立てられており、組合員が地元の生産者を支えることにもつながっています。

対応を広げる奨励金制度



これまで奨励金の対象は、有機栽培や農薬不使用、または最小限の農薬を使用する栽培方法に限られていました。しかし、米の生産者が直面する厳しい現状を踏まえ、2023年度からは農薬の使用を10剤以内とする栽培法にも奨励金の対象を拡大しました。この見直しにより、より多くの生産者が恩恵を受けることが期待されています。

グリーンコープが取り扱っている「赤とんぼ米」は、契約栽培の仕組みにより、すべての生産者と買い取り数量について事前に契約を結ぶことで、生産の計画が立てやすくなり、売り先に無用な不安を抱えることなく、安心して農業に取り組めます。グリーンコープは、売れ残りや価格下落のリスクを自ら引き受け、生産者を支える役割を果たしています。

信頼関係がもたらす安定供給



長年にわたる取り組みにより、グリーンコープと生産者の間には強固な信頼関係が築かれました。この信頼こそが、米の供給が不安定な今、組合員へ安定して米を届けるための力となっています。市場の混乱に影響されることなく、組合員は安定した品質の米を手にすることができるのです。これらの取り組みを通じて、グリーンコープは「安心・安全な食を次世代へ」との理念を実現し続けています。

組織概要



一般社団法人グリーンコープ共同体は、2018年に設立され、九州地域をはじめとした生活協同組合が集合体として活動しています。「安心・安全な食べものを子どもたちに食べさせたい」との母親たちの想いから、地域を豊かにするために活動しています。

公式サイト: グリーンコープ

これからもグリーンコープの取り組みに注目し、安心・安全な米の消費を続けることが、私たち全員の課題となるでしょう。

会社情報

会社名
一般社団法人グリーンコープ共同体
住所
福岡県福岡市博多区博多駅前1-5-1博多大博通ビルディング4F
電話番号
092-481-4800

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