新たな挑戦、食で社会課題に立ち向かう「+Recipeプロジェクト」
株式会社東洋製罐グループホールディングスは、食を通じた社会課題の解決に取り組む「+Recipeプロジェクト」を発表しました。このプロジェクトは辻󠄀調理師専門学校との共同で進められ、近年の食環境の変化に応じた新たなソリューションを模索しています。
プロジェクトの背景と目的
食に関するさまざまな社会問題が顕在化している現在、農業従事者の高齢化や食料自給率の低下、フードロス問題、災害時の食環境などの課題に直面しています。これを受けて、100年以上にわたり容器の革新を続ける東洋製罐グループと、食文化の発展に寄与してきた辻󠄀調理師専門学校が力を合わせ、新たな食の未来を切り拓こうとしているのです。
「+Recipeプロジェクト」は、レトルトパウチや缶詰といった長期保存が可能な食品を開発することを第一弾に掲げ、食環境の改善につながる取り組みを行います。これにより、非常時にも栄養バランスの取れた食事を提供できる技術を活用していく計画です。
本格的な料理の開発
本プロジェクトの成果として、長期保存に適した本格料理の第一弾が発表されました。具体的には、以下の料理が開発されています:
1.
トマト・ファルシ
トマトに牛豚合挽き肉と植物性ミートを詰めた料理。このレシピは、南フランスの郷土料理を基にしています。
2.
昆布と鰹節のだし
本格的な和の味を追求しただし缶。塩分無添加で、様々な料理に応用できるスタイルです。
3.
ぶり大根
鰤の身を重曹とカラギーナン溶液で下準備し、煮汁の質を向上させた一品。レトルト技術の進化が感じられます。
4.
鹿スネ肉のブレゼ
野生の鹿肉を活用した料理。付け合わせを個別パックにすることで、様々な味わいが楽しめます。
5.
エスプリ・ド・タタン
煮詰めたリンゴを使用したデザート缶。食品ロス削減にも寄与しています。
取組みの重要性
このプロジェクトは、未利用食材の活用や食品ロスの軽減だけでなく、災害時の食環境の改善にもつながります。本プロジェクトによる成果は、2024年9月23日に行われた試食会で初めて披露され、関係者の関心を集めました。参与者は、その味と質の高さに驚き、今後の展開に期待を寄せています。
各担当者の意見
辻󠄀調理師専門学校の秋元真一郎先生は、缶詰や冷凍食品活用の可能性について述べ、「食材の無駄をなくし、調理の幅を広げることができる」と期待を寄せました。それに対し、野中覚先生はレトルトによる飽和味の調整について、「通常の調理に遜色ない仕上がりを実現した」と語ります。
未来に向けた展望
「+Recipeプロジェクト」は、教育プログラムの実施や地域の問題に取り組むなど、ますます社会に貢献する取り組みへと進化していく予定です。また、オープンイノベーションの取り組みである「OPEN UP! PROJECT」も継続し、容器技術を駆使しながら持続可能な社会を実現するための新たな道を切り拓いていくでしょう。
このプロジェクトが、未来の食文化をより良いものにする手助けとなることを期待しています。