IT業界の未経験者採用が進まない現状
千葉県松戸市に本社を構える株式会社オクトパスソフトウェアが行った調査によれば、システム開発会社の約8割が未経験のエンジニアを採用していないことが明らかになりました。この調査は、2025年8月7日に発表されたもので、対象となったのはシステム会社の採用担当者や経営者、役員131名です。人材不足が深刻化している中、未経験者の採用が進まない理由を探ります。
調査の詳細
調査は全国を対象にインターネットで実施され、131名から有効な回答が得られました。主な質問として、未経験のエンジニアを採用しているか、採用していない理由について尋ねられました。その結果、104名(79.4%)が「未経験者を採用していない」と回答しました。
未経験者を採用しない理由
未経験者を採用しない理由として最も多かったのは「教育できるリソースがない/教育体制を整えるのが大変」というもので、80票が集まりました。次いで「即戦力が欲しい」が51票、「クライアントの要求水準が高いため未経験者では対応できない」が23票とのことでした。これらの結果から、業界全体で“育成ができる余裕がない”ことが浮き彫りになっています。
この背景には、IT業界の慢性的な人手不足や、業務内容の専門性が高いことが影響しています。一方で、過去に未経験者を採用して失敗した経験や、長期的に働くか不安という声も多く聞かれました。このような現状において、企業側は即戦力を求めるあまり、未経験者を歓迎しづらい状況にあります。
現場の育成力不足が課題
調査対象の企業の多くは、未経験エンジニアを育成する体制が整っていないことが一因とされています。業務が特定の個人に依存している場合、育成プログラムの一環として新しい人材を迎える余裕が取れない状況に陥ります。このような属人的な業務運営が未経験者を採用しづらい環境を生み出しているのです。
オクトパスソフトウェアの取り組み
これに対抗するため、オクトパスソフトウェアでは未経験者の受け入れを支援するサービスを展開しています。具体的には、OJT(On-the-Job Training)や実務に近い育成環境の提供を行い、企業が育成と採用を両立させられるよう努めています。このような取り組みを通じて、企業が未経験者を育てるための基盤を構築することが求められているのです。
特に注目すべきは、「実務に近い形での育成」です。オクトパスソフトウェアは、実際のプロジェクトを通じて、エンジニアとして必要なスキルを身につけてもらうための環境を提供しています。また、システム開発の受託業務においても、ただ作業を行うだけでなく、お客様の業務課題にアプローチすることで、継続的な成果をもたらす支援を行っています。
結論
調査結果から、未経験者採用に対する慎重な姿勢が多くの企業に見られ、その背景には教育リソースの不足や即戦力志向の採用があることが分かりました。今後、IT業界が人材を育成していくためには、育成環境の整備や外部からのサポートが欠かせません。人材と企業間のミスマッチを解消するための体制づくりが、今後の重要な課題となるでしょう。