金融庁が示した第三次改訂版スチュワードシップ・コードの充実化

スチュワードシップ・コードの第三次改訂が確定



令和7年6月26日、金融庁は「スチュワードシップ・コード」に関する有識者会議での結果を基に、第三次改訂版を正式に公表しました。この改訂は、日本版のスチュワードシップ・コードを通じて、責任ある機関投資家としての行動原則を強化することを目的としています。

改訂の背景と目的



スチュワードシップ・コードは、機関投資家が企業経営に対して責任を持って関与することを促すためのガイドラインです。第三次改訂版では、企業の持続的な成長を促すために、投資と対話の重要性が強調されており、これにより日本の金融市場における透明性を高める狙いがあります。

金融庁は、令和7年3月21日から4月20日の期間に広く意見を募りました。この意見募集には、合計で46件の応募があり、各団体や個人からの建設的な意見を受け取ることができました。これにより、改訂版はより多様な視点を反映した内容に仕上がったといえます。

主な改訂点



第三次改訂版には、以下のような主な特徴があります:

1. 機関投資家の責任: 改訂されたコードは、機関投資家に対して、企業経営への積極的な関与を求めています。特に、投資先企業との対話を強化し、企業価値の向上に向けた取り組みを推進するよう呼び掛けています。
2. 透明性の確保: 投資活動やその結果についての報告を際立たせ、機関投資家がどのように企業に対して関与しているかを開示することが求められます。これにより、投資先企業やステークホルダーとの信頼関係を深めることが期待されます。
3. 新たな受入れ表明の促進: 新たに改訂版を受け入れる機関投資家は、その意向を明らかにすることが求められ、その情報は金融庁によって随時公表されます。

今後の対応



改訂版の公表から6ヶ月以内には、既存の機関投資家は新しい原則を基にした公表項目を更新することが求められます。これにより、金融庁が求める水準に沿った運営が行われることになります。

また、自己のウェブサイトを持たない機関投資家は、情報をPDF形式で提出することでウェブでの公表に代えることも可能とされています。このような柔軟な対応策により、より多くの機関がスチュワードシップ・コードに従うことを促すことが期待されています。

まとめ



スチュワードシップ・コードの第三次改訂版は、金融庁が日本の金融市場において責任ある投資活動を促進させるための重要な一歩です。今後このコードが広く受け入れられることで、機関投資家による企業経営への積極的な関与や透明な投資活動が実現され、持続可能な経済成長が期待されます。透明性が高まることで、投資先企業との関係も深化し、より良い経済環境が醸成されることを願っています。

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。