チュチュアンナがデータ分析基盤を新設し業務効率化を図る
卸売業と小売業を手掛けるチュチュアンナが、データ活用基盤を新たに構築しました。この取り組みにより、同社は約250の直営店舗において、2秒で売上や在庫データを取得できる環境を整えたのです。データ基盤の構築には、ウイングアーク1st社が提供する「Dr.Sum」とBIダッシュボード「MotionBoard」が活用されています。
チュチュアンナの事業概要
1973年に創業したチュチュアンナは、女性用靴下やインナーウェアを中心に、約450の直営店舗およびECサイトを展開しています。多品目を扱いながら、新商品の投入頻度も高いため、各店舗の在庫管理は非常に重要です。これまでのデータ活用は、必要なデータを手動で集め、その後システム部門に依頼するという手間を伴っていました。
新たなデータ活用基盤の必要性
従来のデータ管理手法では、商品の流行や販売動向の変化に迅速に対応することが困難でした。そのため、経験則や直感に頼った運営が主流となっていました。しかし、この状況を打破するため、あらゆる店舗のデータを統合し、誰でも簡単に操作できる分析基盤を構築することが必要だと判断されました。
「Dr.Sum」と「MotionBoard」の導入
チュチュアンナは、2023年8月に新しい基幹システムを稼働させる際に、Dr.Sumを導入しました。これにより、過去3年間の売上データや在庫データを一元化し、商品別、エリア別の週間売上を前年や前週のデータと比較できるようになりました。従来はデータ集計に2分かかっていたものが、今ではわずか2~3秒で完了します。これによって、データ取得スピードは最大60倍にも達しました。
さらに、店舗でのデータ分析が簡素化され、商品部門ではDatalizerを使用してアイテムごとの売上トレンドを分析し、各店舗の在庫管理も最適化されています。店舗の前に設置されたカメラを通じて得られた通行量との関連付けを行い、マーケティング施策の効果を確認することも可能となりました。
さらなる未来への展望
2024年9月には、MotionBoardが導入され、各店舗の店長はリアルタイムで自店舗の状況を把握できるダッシュボードを利用できるようになります。これにより、チュチュアンナはデータ分析と活用をさらに高度化し、需要予測や在庫管理の精緻化、顧客理解の深化を目指しています。
まとめ
チュチュアンナのデータ分析基盤構築は、業務の効率化と在庫管理の精度向上に大きく寄与しています。データに基づく運営は、ビジネスの成長を支えるために欠かせない要素です。今後もチュチュアンナは、データによる意思決定を強化し、時代の変化に迅速に対応していくことでしょう。