保育士のチームビルディングに関する実態調査
調査概要
2024年10月15日から17日までの期間に、保育士106名を対象に「チームビルディング」に関する実態調査が実施され、その結果が明らかになりました。この調査は、株式会社明日香が運営する「子ねくとラボ」によるもので、前回の2021年版調査と比較して行われています。調査の目的は、園長との関係性の実態と改善点、課題を把握し、保育士の職場環境の向上に寄与することです。
調査結果の要点
1. 園長との関係性
調査結果によれば、現役保育士の23.6%が園長との関係性が「良好ではない」と回答しました。しかしながら、これは2021年調査に比べて7.4ポイントの改善を示しています。
具体的には、回答者のうち「非常に良好」と答えたのは29.2%、やや良好は47.2%でした。これらの結果は、前回2021年に比べて若干の進展を示すものの、依然として「全く良好ではない」と感じている保育士も6.6%存在しています。
2. 課題の現状
関係構築における主な課題としては、「園長が意見を聞いてくれない」(52.0%)、および「リーダーシップがない」(44.0%)ことが挙げられ、それに続いて「現場を把握できていない」(36.0%)という回答も見られました。これは、園長が職員の声に耳を傾けることの重要性を再認識させる結果です。
3. 仕事への影響
園長との関係が仕事に与える影響については、満足度の78.3%が「影響がある」と答えています。ストレスに関しても、71.7%が影響を感じていると回答しました。特に、職場環境の中でのコミュニケーションの重要性が再確認される場面です。
4. 転職・退職への影響
また、64.1%の保育士が「園長との関係性が自身の転職・退職に影響がある」と回答しており、この数値は少し減少していますが、それでも重要な課題であることに変わりはありません。2021年との比較でも、13.2ポイントの減少という結果になっています。
5. 園長のタイプ
勤務先の園長のタイプについての調査では、「民主型」が18.9%で最も多く、その後にコーチ型が続いています。2021年調査と同じく、園長のリーダーシップスタイルが職場の雰囲気を大きく左右していることが伺えます。
まとめ
今回の調査では、保育士と園長との関係性が依然として多くの課題を抱えている一方で、少しずつ改善されている傾向が見られました。保育現場において、より良いコミュニケーションやリーダーシップの強化が求められています。保育士の働きやすい環境を整えることは、今後の保育業界全体にとっての大きな課題です。
これにより、組織としての信頼関係を築き、保育士の定着率向上や職場の幸福度を高めるための取り組みが必要であると考えられます。調査結果を基に、各園がその実情を踏まえた考察を行い、より良い環境作りに向けたアクションにつなげていくことが期待されます。
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