世界最高レベルの放射冷却素材「SPACECOOL」が始動！

新たな冷却技術「SPACECOOL」とは

SPACECOOL株式会社が手掛ける放射冷却素材「SPACECOOL」は、2021年5月より営業やマーケティングを開始し、今夏には販売が始まる予定です。この新しい素材は、直射日光下においてもエネルギーを使用せず、宇宙に熱を放出することで外気温よりも低くなる特性を持っています。

SPACECOOLの革新性

特に興味深いのは、大阪ガスが行った実証実験で確認された、直射日光下での素材表面温度が最大約6℃も外気温より低くなるという結果です。この結果から、SPACECOOLは世界最高レベルの冷却性能を誇ることが明らかになりました。

SPACECOOLは、既に2つの製品群、すなわちフィルムと帆布を開発しています。これらはトラックの荷台や膜建造物、コンテナ倉庫などでの使用を想定しており、暑熱環境の改善に貢献すると期待されています。

安全性と経済性の新たな価値

この素材の普及は、熱中症予防や食品の鮮度維持など、人々の安全性や快適性の向上にも寄与するでしょう。さらに、屋外機器の故障抑制やコスト削減などの経済的な価値も提供します。

また、全体的な社会への貢献として、ゼロエネルギーでの冷却を通じて温室効果ガスの排出抑制や環境改善を目指しています。このように、SPACECOOLは省エネと地球温暖化対策において重要な役割を果たす可能性を秘めています。

テクノロジーの詳細

SPACECOOLの材料は、太陽光や大気からの熱を効果的にブロックし、さらに宇宙に熱を放射することで継続的に冷却されます。この仕組みにより、エネルギーを消費せずに冷却し続けることが可能です。

実証実験では、大阪市此花区のエネルギー技術研究所にて、周囲の気温が約35℃の条件下で測定が行われました。実験で行われた鋼板にSPACECOOLを施工した結果、その裏面温度の著しい低下が観察されました。

会社の概要

SPACECOOL株式会社は、WiL, LLCと大阪ガス株式会社によるオープンイノベーション型の合弁企業であり、都内の虎ノ門に本社を置いています。設立からまだ日が浅い企業ですが、すでに大きな期待が寄せられています。ビジョン「世界に木陰の涼しさを」を掲げ、環境改善や省エネルギーに取り組む姿勢が注目されています。