摂南大学の看護学研究が臨床現場に新たな風を吹き込む
2024年11月9日、摂南大学大学院看護学研究科による公開講座が開催されます。この講座は、看護師として臨床で働く方々に対して最新の看護学研究の成果を実践に活かす方法を共有することを目的としています。特に、「心理的安全性」というテーマに焦点を当て、働きやすい職場作りに必要な視点を提示します。
講座の詳細
公開講座は、14時から16時までの予定で、会場は大阪市北区のOIT梅田タワーにあるセミナー室204です。講演は2部構成で行われ、まず富永真己教授が「心理的安全性の研究から学ぶ - 看護職・介護職が働き続けたいと思える職場づくり -」というテーマで話します。心理的安全性は、職場の環境がどれほど職員が自らの意見や感情を自由に表达できるかを示す指標です。この講座では、富永教授が書籍の執筆を通じて得られた知見や、現場での実用例をご紹介し、具体的な解決策についてもディスカッションを行う予定です。
続いて、池田友美教授が「フィンランドで見たこと、聞いたこと、感じたこと - 海外から日本の看護学の研究を見つめて -」と題し、フィンランドでの研究経験を基にした講演を行います。フィンランドは、世界幸福度ランキングで常に上位を占めている国であり、その医療制度や看護に関する考察は、日本の研究者にとっても非常に刺激的な内容となります。池田教授は、フィンランドの医療現場から得た貴重な教訓や、日本との比較に基づく強みや課題についてお話しします。
看護学と心理的安全性の関係
富永教授による心理的安全性の講演では、職場の雰囲気が如何にして看護職や介護職が長続きするために重要かが強調されます。心理的安全性が高い職場は、スタッフが声を上げ、問題を共有しやすく、結果的に患者ケアの質も向上します。この概念が看護の現場でどのように実践されるかを、具体的な事例を交えて理解することができる絶好の機会になるでしょう。
フィンランドから学べること
池田教授の講演では、フィンランドの医療システムと日本のそれとの違いについて深掘りし、異なる文化背景でどのように看護学が進化しているかを考察します。特に、医療従事者としての役割や責任感、患者との関わり方について、多くの示唆を与えてくれることでしょう。国際的な視点を持ち込むことで、日本の看護学研究の発展に寄与するヒントを得ることができるのです。
未来の看護学に向けて
「摂南大学大学院 看護学研究科」では、エビデンスに基づく専門性の高い看護師を育成すると同時に、研究者としての道も歩める人材の育成に努めています。日本の看護学の未来を考えるこの講座は、実践と研究の橋渡しをする貴重な場です。参加募集人数は限られており、参加希望者はあらかじめ申込みが必要ですので、お早めに登録することをお勧めします。
まとめ
看護師や介護職の方々にとって、臨床現場における常に変化する医療ニーズに応えるための学びの場として、この公開講座は非常に有意義なチャンスです。心理的安全性の理解を深め、国際的な視野から自分の専門分野を見つめ直すことで、看護学のさらなる発展に寄与することが期待されます。