写真展「筑豊・最後の坑夫たち」開催の背景
2015年1月14日から18日まで、福岡市美術館にて開催される写真展「筑豊・最後の坑夫たち」は、貴重な炭鉱の記録を後世に伝える目的で実施されます。この展示は、1973年に撮影された炭鉱の内部の取材を基にしています。
この一連の撮影に参加したのは、永吉博義、吉岡安臣、そして帆足昌平の3名。彼らは、福岡県飯塚市に所属する写真愛好クラブ「銀光会」のメンバーであり、1973年3月19日に稲築町の山野炭鉱に足を踏み入れました。撮影は保安員の付き添いの下、地下527メートルで行われ、熾烈な環境のなかで働く坑夫の姿が収められました。
撮影当時、坑内は照明が乏しく、キャップランプのわずかな明かりを頼りに、厳しい作業が行われていた歴史を思い起こさせます。これらの写真は、永吉氏の実家に35年間保管されていましたが、現在でも破損せずに残っているのが幸いです。
さらに、平成23年には、山本作兵衛氏の「炭坑の記録画および記録文書」が世界記憶遺産に登録され、炭鉱に関する関心が高まっています。しかし、地下作業の危険性から、撮影録が少ないのが現状です。今回の展示を通して、筑豊地区の炭鉱について多くの人に知ってもらいたいとの思いが込められています。
写真展の詳細
- - 日時: 2015年1月14日(水)~18日(日)、午前9時半から午後5時まで
- - 場所: 福岡市美術館市民ギャラリーB(福岡県福岡市中央区大濠公園1-6)
- - 主催: 「写真展筑豊・最後の坑夫たち」実行委員会
- - お問い合わせ先: 集広舎(川端幸夫、070-5271-3767/092-271-3767)
この展示に合わせて、写真集『1973筑豊・最後の坑夫たち』も発行されています。収録内容は、筑豊地域の15炭鉱の写真約300点にわたり、著者は撮影に携わった永吉博義氏と帆足昌平氏です。
この本は、B5判変形の上製本で160ページ、定価は2700円(税抜)となっています。詳細は
こちらのリンクから確認できます。
山野炭鉱について
山野炭鉱は、福岡県嘉穂郡稲築町に存在した炭鉱で、明治から1973年まで稼働していました。この地は、三井財閥系の主力鉱として知られており、1965年にはガスによる爆発事故が起こり、多くの命が失われました。今回の写真展を通じて、過去の労働現場での厳しい現実を伝えることの重要性が改めて浮き彫りになっています。
また、展示にあたっては、公式Facebookページが設けられており、部分的な写真が無料で配信されています。興味のある方は、
こちらのリンクをチェックしてください。
最後に
集広舎は、アジア関連書籍を中心に様々なジャンルでの自由な出版を目指す出版業者です。1970年代に福岡で創業した背景から、地域の歴史や文化を発信することに力を入れています。ぜひ、この貴重な機会をお見逃しなく。