DX推進に向けた日本企業の実態調査
最近、DX(デジタルトランスフォーメーション)が企業の経営課題として重要視されています。特に、NTTデータビジネスブレインズが、情シス部門の管理職221名を対象に行った調査が注目を集めています。この調査から、日本企業のDX推進状況やそれに対する経営層の関与について、具体的なデータが得られました。
DX推進の現状
調査によると、回答者の81.5%が自社でDXに取り組んでいることがわかりました。具体的には、40.3%の企業が全社的にDXを推進している一方、41.2%の企業は部署ごとに限られた範囲での推進にとどまっています。これは、トップダウンの戦略で進められた企業と、現場中心のボトムアップでの推進が存在することを示しています。特に、部分的な推進に留まっている現状には、全社的なビジョンの欠如などの課題が潜む可能性があります。
ビジョンの浸透状況
次に、全社的なビジョンの存在についてですが、十分に定義されているのは39.0%に過ぎません。これは、約46.2%の企業が一部の経営層や関連部門でのみ共有している状況に対し、全体に浸透しきれていないことを示しています。ビジョンが全社的に浸透しない限り、個々の部門での取り組みは部分的なものに終わりかねず、DXの真意とは程遠い結果を招くかもしれません。
DXの目的と経営層の関与
さらに、DX推進の目的についても分析が行われました。その結果、最も重要とされている目的は「業務プロセスの自動化・効率化」で53.3%の企業が挙げています。これは「守りのDX」に分類され、一方で新規事業の創出など「攻めのDX」はあまり重視されていません。
また、経営層の関与について、70.0%が経営層の関与を肯定的に捉えています。これはDXがIT部門だけの課題ではなく、経営層のアジェンダに位置づけられていることを示唆しています。それでも、実際のビジョンや予算の配分がどうなっているかは重要です。
DX推進にかかる予算の現状
61.0%の企業がDX推進のために継続的な予算枠を確保していると回答していますが、攻めの投資が30%未満の企業も62.0%に達しており、守りに偏った予算配分となっています。このデータから見えるのは、多くの企業がDXを業務改善ツールとして捉えている傾向があります。
まとめ
この調査からは、日本企業のDX推進への意欲がうかがえる一方で、ビジョンの共有不足や目的の偏りが見受けられます。全社共有のビジョンが不足しているため、各部門での取り組みは部分的なものであり、それがDXの成功につながらないリスクを孕んでいます。企業は今後、DXを既存の範囲での改善策ではなく、新たな価値創造の機会としてとらえていく必要があります。