TE Connectivityが描くAI導入の明暗
2025年3月17日、コネクティビティおよびセンサー分野のリーダーであるTE Connectivity(NYSE: TEL)が、最新の年次報告書「インダストリアル・テクノロジー・インデックス(ITI)」を発表しました。この報告書は、企業がAIを導入する際の課題と機会を浮き彫りにし、特に日本の市場での前向きな姿勢について詳しく述べています。
グローバルAI時代と企業の動向
本調査は、世界中の企業におけるAI導入の実態と、それに伴うトレーニングプログラムの不足が、社内でのAI統合の継続的な課題であることを指摘しています。調査によると、68%のエンジニアと70%のエグゼクティブが、自社でAIを「ある程度」導入していると回答していますが、実際に「広範囲に」導入している企業はわずか22%という結果にとどまりました。これは、調査対象全体で4分の1にも満たないことを示しており、AI推進の普及には依然として大きな格差が存在することが明らかです。
日本の市場の特異性
特に日本では、AIの導入に対して非常にポジティブな姿勢が見られます。報告書によると、日本の回答者の97%が「持続可能性は自社にとって重要である」と回答しており、これは世界全体の90%を上回る数字です。持続可能性を企業活動の最優先事項と捉えていることは、日本企業が新技術の創出やイノベーションの推進を通じて、成長を図る大きなチャンスであると捉えられています。
TE ConnectivityのCEO、テレンス・カーティン氏は「AIの導入と統合における課題と機会にフォーカスすることが、今後のビジネス展開にとって極めて重要である」と述べています。彼は、ビジネスリーダーやエンジニアがIT統合を慎重に考慮し、高度なトレーニングに投資することが、将来の成長を促進するために必要不可欠であると強調しました。
調査の方法と分野
「インダストリアル・テクノロジー・インデックス」は、中国、ドイツ、インド、日本、米国のエグゼクティブおよびエンジニア1,000人を対象に、自動車産業、産業機械、クラウドコンピューティング、AIなど多岐にわたる分野での実態を調査しました。これにより、各国における技術の潮流や企業の競争力に影響を与える要因を明らかにしています。
まとめ
2025年版の「インダストリアル・テクノロジー・インデックス」は、AI導入の現状を包括的に分析し、日本における持続可能性の重要性を再認識させる資料となっています。今後も、企業はスピーディなビジネス展開と持続可能な成長を目指し、AIの活用を推進していくことが求められるでしょう。
報告書の詳細や全文については、TE Connectivityの公式ウェブサイトをご覧ください:
TE Connectivity ITI 2025 Report