医療機関向けサイバーセキュリティ対策研修が始まる
一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)は、厚生労働省の委託を受け、2024年9月から令和6年度医療機関向けのサイバーセキュリティ対策研修を実施することを発表しました。この研修は、近年のサイバー攻撃の増加を背景に、医療機関におけるセキュリティ対策の強化が求められていることに対応しています。
サイバーセキュリティの重要性
国内外での医療機関に対するサイバー攻撃が顕著に増加しており、その影響は診療停止など深刻な事態を引き起こしています。こうしたインシデントを未然に防ぐためには、医療機関自身のセキュリティ意識を高めることが非常に重要です。
この研修では、経営者からシステム管理者、さらにはサイバーセキュリティに不慣れな初学者まで、幅広い対象を考慮した内容が提案されています。
研修内容の概要
年ごとのカリキュラムは以下の種類に分かれています。
1. 経営者向け研修
経営者向けの研修では、サイバーセキュリティの重要性を理解するためのコースが用意されています。
- - ITガバナンスコース: 基本的なITガバナンスとBCP(事業継続計画)の考え方を学びます。
- - 経営者視点コース: 経営者とサイバーセキュリティとの関連を学び、組織全体のセキュリティ意識を高めます。
- - IT-BCPコース: 過去のインシデントを踏まえたBCP策定に焦点を当てます。
2. システム・セキュリティ管理者向け研修
技術的な深掘りが行われるコースもあり、以下の内容が提供されます。
- - 復習コース: Windowsのセキュリティ機能の使い方を学びます。
- - 新規コース: OSやセキュリティの基本について理解を深めます。
- - 連携コース: インシデント対応経験を実際に体験します。
3. 初学者向け研修
日常生活で役立つサイバーセキュリティの知識を得るための研修も用意されています。
コースでは、年ごとに変わる「情報セキュリティ10大脅威」を参考にし、身近な脅威について学べます。
4. 立入検査コース
サイバーセキュリティ対策チェックリストに基づき、医療機関における対策の実施状況を確認します。
5. 講師育成コース
IT-BCPを策定し、それを訓練で活用できる人材を育成するプログラムです。
6. e-learning
過去の研修内容を動画としてアーカイブし、受講者が自由に学習できる環境を整備します。
受講申し込みについて
研修への申し込みは、専用のポータルサイト「医療機関向セキュリティ教育支援ポータルサイト(MIST)」から可能です。ポータルサイトでは詳細な情報が確認できます。
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おわりに
近年のサイバー攻撃はますます巧妙化し、医療機関にとってリスクが高まっています。こうしたセキュリティ研修を活用し、自機関の安全を確保するための知識を深め、円滑な医療サービスの提供を実現していきましょう。
一般社団法人ソフトウェア協会の取り組みが、医療機関におけるセキュリティ意識向上に寄与することを期待します。