ナイジェリア栄養失調
2024-12-11 15:52:08

ナイジェリアの子どもの栄養失調問題、2025年に危機的状況に

ナイジェリアに迫る栄養失調の危機



ナイジェリアの子どもたちの栄養状態が深刻な危機に直面しています。国境なき医師団(MSF)による最新の調査によれば、特に北西部カツィナ州で急性栄養失調が蔓延し、2025年には「壊滅的」との予測が立てられています。これには、気候変動、インフレ、治安の悪化などの要因が影響を及ぼしています。大きな危機に直面している地域での状況を詳しく見ていきましょう。

栄養失調の現状



調査は、MSFのエピセンターとカツィナ州保健省の協力により、2000人以上の子どもを対象に実施されました。8月には、急性栄養失調の子どもが全体の30%以上を占め、これは2年前の22%から大幅な増加となりました。特に危険視される重度急性栄養失調の割合も、6.8%から14.4%に達しています。このような数字は、ナイジェリアが食料安全保障において「極めて危機的」な状況にいることを示しています。

MSF米国の事務局長、アブリル・ブノワは、「栄養失調の患者数は年々増加しており、2025年には壊滅的な打撃を受けると予測しています」とコメントしています。

要因の分析



栄養失調が増加する主な原因は、インフレ、治安の悪化、そして気候変動です。地元の農業に悪影響を及ぼし、食料供給が不安定になることで、家族は子どもたちに十分な栄養を与えられなくなっています。手に入る食料は高価で、家庭の経済状況が厳しいため、栄養不足の状態が続いています。特に、カツィナ州の治安の悪化は、住民に対して運営されている栄養治療センターへのアクセスを困難にしています。

MSFの対応とその限界



MSFはカツィナ州内で栄養失調の治療センターを運営し、今年は10万人以上の栄養失調児を治療しました。しかし、この数字は前年同期比で20%の増加を示しています。また、重症のため救えなかった子どももおり、今年の前半には800名以上が亡くなりました。この状況は、社会的な支援が十分でないことも浮き彫りにしています。

さらに、MSFは資源の供給が不十分であることを強調しており、適切な栄養治療食が地域で供給されていないため、支援が必要です。国連人道対応計画にこの地域が含まれていないため、資金援助が行き届いていないことも深刻です。

今後への警鐘



ナイジェリア北部の栄養失調問題は深刻な事態を迎えています。資金援助の増加が急務であり、今後の状況が劇的に悪化する前に、国や国際機関が迅速に対応する必要があります。去年の調査結果は悲惨でしたが、今年はそれに拍車をかける形で「極めて危機的なレベル」に至る恐れが強まっています。

「大規模な対策を今すぐ行わなければ来年の状況は劇的に悪化する」と、MSFのナイジェリア代表シンバ・ティリマ医師も懸念を示しています。彼らは各地で緊急治療を必要とする栄養失調の子どもが増えていることに警鐘を鳴らしています。

このように、ナイジェリアの栄養失調問題は単なる緊急事態に留まらず、国や国際機関が連携して取り組むべき深刻な課題となっています。適切な支援が行われない限り、未来の世代に深刻な影響を及ぼすことになるでしょう。


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会社情報

会社名
国境なき医師団(MSF)日本
住所
東京都新宿区馬場下町1-1 FORECAST早稲田FIRST 3階
電話番号
03-5286-6123

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