文化財の暗闇に浮かぶ妖怪の魅力
日本の伝統と美しさを感じるアートイベント「奇怪夜行2025」は、福岡県柳川市に位置する国指定名勝・柳川藩主立花邸 御花で開催されます。このイベントでは、江戸時代から続く八女提灯と、水木しげる先生の初代チーフアシスタントとして知られる佐々岡健次先生の妖原画が展示され、妖怪の魅力を存分に楽しむことができます。
襲いかかる妖怪たちの美しさ
400年の歴史を受け継ぐ立花邸で、現実と幻想が交錯する光景に身を置くことができます。「キキキの奇怪夜行」というテーマの元、今年のイベントはおどろおどろしさだけでなく、妖怪たちの美しさも同時に感じることができるように工夫されています。
伊藤権次郎商店の手作りの妖怪提灯は、職人の手によって緻密に仕上げられています。竹の骨組みに和紙が張られ、灯りがともることで手描きの妖怪が浮かび上がります。この幻想的な光景は、訪れる人々に心の奥深くにある想像力を呼び起こし、妖怪の世界へと誘います。
佐々岡健次先生の独特な妖原画
佐々岡健次先生が描く妖怪たちは、いつも私たちの隣にいるような不思議さをもっており、作品からは日本の文化や風土が感じられます。先生の妖怪は、哀愁と愛嬌を兼ね備えた表情を持ち、見る者の心に響く何かを感じさせます。彼の原画は奇怪夜行の特別展示として、文化財エリアで観賞することが叶います。
文化財と一体化した展示
立花家に伝わる「芸州武太夫物語絵巻」は、江戸時代中期の妖怪に関する物語を描いており、毎晩屋敷に現れる妖怪たちの恐ろしさと愛らしさが表現されています。この絵巻は、来場者にさらなる驚きや魅力をもたらしてくれるでしょう。
開催概要と参加方法
「奇怪夜行2025」は、2025年8月15日から17日、22日から24日までの計6日間、夜の6時から9時まで開催されます。入館料は大人1700円、高校生1000円、小中学生500円、未就学児は無料となっています。会場は柳川藩主立花邸御花で、訪れる皆様に、日本の風土や精神が息づく空間の中で、妖怪たちとの邂逅を体験していただけます。
連動企画のご紹介
さらに、8月13日には大広間で怪談会も開催され、怪談師の城谷歩氏を迎えて、特別な夜が用意されています。また、「妖怪ルーム」や「妖怪舟」といった特別な体験も用意され、妖怪の世界をより深く味わえるコンテンツが揃っています。
この奇怪夜行で、暗闇に浮かぶ妖怪たちと共に、幻想的な時間をお楽しみください。