日本市場における新たなスタンダード
2025年7月1日、サーモフィッシャーサイエンティフィックジャパングループは、ライフサイエンスの研究を支える最新技術「Thermo Scientific(TM) NanoDrop(TM) Ultra 微量分光光度計」を日本市場にて販売開始すると発表しました。この製品は、DNA、RNA、タンパク質の分析を効率的に行うことができ、科学研究や製薬業界において新たな可能性を提供します。
NanoDrop Ultraの特長
あらゆるライフサイエンスの研究者にとって、サンプルの希少性は常に悩みの種です。しかし、NanoDrop Ultraはわずか1~2μLの極小サンプルで、高精度な測定を可能にしています。これは、従来のシステムに比べて二本鎖DNAの測定下限が向上したためで、少量のサンプルでも高い信頼性でデータを取得できるのは大きな魅力です。
また、この機器はコンパクトに設計されており、研究室のスペースを無駄にすることなく、タッチスクリーンでの操作が可能です。このタッチスクリーンは手袋を装着したままでも操作できるため、研究者にとって特に使いやすい設計となっています。
進化したソフトウェア機能
NanoDrop Ultraには、リアルタイムPCR(qPCR)のサンプル量を計算する機能が搭載されています。この機能により、選択したqPCRキットに基づいて試薬との準備を最適化できるため、一貫した信頼性の高い結果を得ることができます。
加えて、Thermo Scientific(TM) Acclaro(TM) サンプルインテリジェンステクノロジーが搭載されており、混入物質の迅速な同定や分析をサポートします。この技術により、植物や細菌、哺乳類由来のDNAやRNAの区別が可能となり、さまざまな研究分野でのデータの信頼性を向上させます。
新しい測定法の展望
今後、NanoDrop Ultraシリーズでは、吸光度と蛍光を同時に測定できる新モデルも登場予定です。このモデルでは、1~2μLのサンプルから蛍光測定も行えるようになり、より幅広い分析が可能になります。さらに、これまでのNanoDropシリーズと連携することで、異なる濃度範囲のサンプルを効果的に測定できる体制が整っています。
高濃度サンプルの質の向上
オプションとして提供される「Acclaro Pro」ソフトウェアは、高濃度サンプルの測定精度を飛躍的に向上させる設計がされており、品質管理においても非常に有効です。特に、バイオ製造分野におけるバッチごとの出荷承認プロセスに貢献します。
まとめ
NanoDrop Ultra微量分光光度計は、ライフサイエンスの研究に革新をもたらす最新技術です。サンプルの拘束条件を緩和し、効率的で精度の高い測定を実現することで、多くの研究者のニーズに応える能力を持っています。この一台で、科学研究の未来を切り開く可能性が広がることでしょう。詳しい情報は、公式ウェブサイトをご覧ください。なお、本製品は研究用としてのみ利用可能で、診断用途には使用できません。