新しい熱電変換技術
2026-03-12 14:15:09

新技術による磁場下での熱電変換素子の評価手法が誕生

新技術による磁場下での熱電変換素子の評価手法が誕生



国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)の村田正行上級主任研究員と李哲虎首席研究員は、アドバンス理工株式会社と協力し、磁場下で動作する新しい熱電変換素子の評価手法を確立しました。この成果は、磁気ゼーベック効果とネルンスト効果を利用した熱電変換デバイスの特性評価技術の進展に寄与するものであり、汎用的な評価装置も登場する見込みです。

磁気ゼーベック効果とネルンスト効果の重要性



従来のゼーベック効果は、温度差によって電圧を生じさせる現象を指しますが、磁気ゼーベック効果は、外部磁場が加えられた状態でゼーベック係数が変動し、熱電性能を向上させる特性があります。この技術は、工場の廃熱を活用した発電などの応用が進められており、特に社会実装が期待されています。しかし、従来はその評価手法が確立されていなかったため、研究・材料開発の段階にとどまっていました。

本プロジェクトでは、耐熱性の高い永久磁石を用いることで、200℃を超える温度差でも複数の磁場条件下で安定して熱電変換素子の発電特性を評価する装置が開発されており、実用化に向けた基盤が整いつつあります。一方で、ネルンスト効果を利用した技術も同様に重要であり、特にその特性評価方法が今後の課題となっています。

評価手法の確立とその結果



新たに開発された評価手法では、外部磁場を利用した状態で、素子に温度差を与えた際の出力電圧と出力電力に関する特性を測定することが可能となります。具体的には、冷却部を固定し、加熱部を室温から100℃まで温度上昇させることで、異なる外部磁場下での発電特性の変化を評価しました。特に、印加された磁場が出力電圧や出力電力にどのように影響するかを実験により確認しました。

得られたデータによると、磁場が存在する場合、出力電圧と出力電力が有意に増加することが明らかになりました。特に、75℃の温度差が与えられた状態で、印加磁場の強さによって出力電力が30%以上増加する傾向が見られました。これは、磁気ゼーベック効果によるものであり、新たな熱電素子の評価手法の有効性を示す結果でもあります。

今後の展望



今後、この手法を利用して、磁気ゼーベック効果やネルンスト効果を応用した熱電素子のさらなる材料開発やデバイス設計が進められる予定です。また、デバイスの形状や大きさに関しても柔軟に対応できるよう装置の改良が進められます。

今回の研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の未来社会創造事業の支援を受けており、社会実装に向けた道筋が整えられてきています。評価装置の商業版は2026年3月12日にアドバンス理工から市場に登場する予定で、同時に第73回応用物理学会春季学術講演会での成果発表も予定されています。

まとめ



磁場下での熱電変換素子の評価手法が確立されたことは、熱電変換技術のさらなる発展と社会実装へ向けた貴重な第一歩と言えるでしょう。今後の研究の進展が期待され、多くの産業での応用が見込まれています。


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