板橋区のSDGs課題をドローンで切り拓く教育プロジェクトが始動
東京・板橋区で、ブルーイノベーション株式会社と日本大学豊山女子高等学校(以下、日大豊山女子高校)が共同で、地域のSDGs(持続可能な開発目標)課題をドローンを通じて解決するための新しい教育プロジェクトを実施しています。これは、文部科学省が推進する「アントレプレナーシップ教育」の一環であり、若い世代が社会課題に向き合い、実際に解決策を見つけ出す力を育むことを目的としています。
プロジェクトの実施概要
この取り組みの成果を発表する「研究成果発表会」が2025年3月12日に板橋区役所本庁舎で開催される予定で、無事に実施されれば生徒たちが手がけたプロジェクトの集大成となります。この発表会には、多くの関係者が集まり、生徒たちの努力を称賛する場となることでしょう。
- - 日時:2025年3月12日(水)14:00~16:00
- - 会場:板橋区役所本庁舎 南館2階 人材育成センター
- - 発表者:日大豊山女子高校ドローン部の生徒19名
- - コメンテーター:一般社団法人日本UAS産業振興協議会の青木義男氏、板橋区立教育科学館の池辺靖氏、ブルーイノベーション社の熊田貴之氏
- - 協力:板橋区産業経済部産業振興課
- - 企画・運営:ブルーイノベーション株式会社
日大豊山女子高校のドローンへの取り組み背景
日大豊山女子高校では、アントレプレナーシップ教育を通じて生徒たちに社会課題を発見し、解決策を模索する力を育んでいます。具体的には、ブルーイノベーションとの協働で、2023年からドローンを用いた環境や物流の社会課題解決に取り組んでいます。この教育は、チームでの試行錯誤を通じて、生徒たちに問題解決能力を培うことを目的としています。
ドローン部の活動内容
初年度は、板橋区の地域課題に焦点をあて、生徒たちはSDGsに基づく様々なアイデアを出し合い、解決策の企画書を作成しました。2024年度には、実際にドローンを使用しての実証実験に取り組み、計画書の作成を通してチームでの協力や創造的な思考をさらに発展させました。また、新1年生たちは「環境」をテーマにした課題設定を行い、地域の獣害や野良猫の保護問題などの解決案をまとめました。
2年生の取り組み内容
- - 物流チーム:坂の多い板橋区において、高齢者や子育て世帯の負担軽減を目的としたドローン配送サービスを提案しました。実験の結果、ドローンは荷物運搬の時間および移動の効率が良いことが確認されましたが、貨物の積み込みや受け取りの際には慣れが必要だという課題も浮き彫りとなりました。
- - スマトラチーム:万引き被害対策として、ドローンを使った追跡システムの導入を提案。実験では、ドローンの高度な追跡機能を利用し逃走者を追跡しましたが、克服すべき課題も多く示されました。
実証実験の様子とは
本プロジェクトの実施内容や成果は、動画としても公開されており、2024年12月には「板橋ドローンフィールド」における実証実験の様子や生徒たちが得た知見を視聴することが可能です。この取り組みに向けた教育的な意義がますます注目されています。
コメントの紹介
このプロジェクトに関与する関係者は、生徒たちが考えた提案の質や、教育理念の重要性について高く評価しています。特に、板橋区の教育局、ブルーイノベーション社の代表からは、社会のニーズに即したドローン活用の可能性と、地域連携の重要性についての期待が寄せられています。
ブルーイノベーション社の社長、熊田貴之氏は、「次世代のイノベーターを育成し、社会課題解決に貢献するためのサポートを継続していく」との意気込みを語っています。このプロジェクトが育む未来への展望は、地域のみならず、広く社会に影響を与えることでしょう。
用語解説
- - 板橋ドローンフィールド:都内最大の物流施設内に設置されたドローン実証実験施設。
- - クラウドモビリティ研究所:ブルーイノベーションの研究開発拠点、次世代モビリティの実装に向けた中心的な役割を果たします。
会社概要
ブルーイノベーション株式会社は1999年に設立された企業で、ドローンやロボットを使った新たなソリューションの開発に注力しています。今後も、このプロジェクトを通じて次世代の人材育成に貢献していくことでしょう。