加齢に伴う身体の変化と免疫力の関係
新型コロナウイルスの影響を受け、多くの人々が自身の健康を見つめ直す機会を得ています。その中で特に注目されているのが、免疫力の維持と向上です。ウィルスに感染しても、体の免疫が正しく機能すれば重篤な状態に陥るリスクは大幅に軽減されます。しかし、現代社会では不規則な生活習慣や栄養バランスの欠如から、若い世代でも免疫機能が低下しているケースが多々見られます。免疫力を保つためには、身体の状態を常に把握し、早期に対策を講じることが求められています。
健康チェックの新たなアプローチ
一般的に、人間ドックなどの定期的な健康診断が推奨されていますが、時間やコストの負担が大きく、頻繁に受診することが難しいのが現実です。そこで、著者は顔を通じた健康チェックの重要性を提唱しています。顔は我々の身体全体の状態を反映する「鏡」とも言えます。顔に現れる微妙な変化は、身体のどこかに問題が生じているサインかもしれません。
この観点から、顔を中心とした健康管理を行うことで、病気の兆候を早期に発見し、重篤化を防ぐことが可能です。特に、顔周りの変化は、内臓の健康とも深い関わりがあり、食生活や生活習慣の影響が色濃く出る部分でもあります。
身体のほころびとそのリスク
日本人の約70%が罹患しているとされる歯周病は、痛みを伴わずに進行するため、自覚症状のないまま放置されがちです。しかし、この病気は歯の健康だけでなく、全身の健康にも重大な影響を与えます。研究によると、歯周病菌が血流を通じて全身に広がり、糖尿病や心疾患などの引き金になることがあることがわかっています。こうしたことからも、身体の不調は徐々に進行し、免疫力の低下に繋がることが明らかです。
特に新型コロナウイルスは、免疫系を狂わせる「サイトカインストーム」を引き起こすことがあり、身体がすでにほころびを見せている場合、感染後の重症化リスクが高まる可能性があります。
健康診断の重要性
私たちが日々目にする感染症の脅威だけでなく、自分自身の身体の内部で進行している問題に目を向けることが重要です。健康診断の新たな手法として、顔を中心としたアプローチが今こそ必要とされています。本書では、顔から始める健康チェックのさまざまな方法を紹介し、日常生活に取り入れやすい実践的な知識を提供します。これにより、より健康的な日々を送り、疾病リスクを軽減する手助けとなるでしょう。
監修者について
本書は、KRDNihombashiMedicalTeamが監修しており、著者の山岸昌一氏、眼科医高橋政代氏、歯周病専門の和泉雄一氏の知見が盛り込まれています。
- - 山岸昌一:昭和大学医学部内科学講座教授。糖尿病と心疾患の研究から老化の原因物質AGEに注目。
- - 高橋政代:理化学研究所で網膜の再生医療に成功。
- - 和泉雄一:東京医科歯科大学名誉教授。歯周病と全身の健康に対する関与を研究。
このように、専門家の知見を基にした健康チェックの新たなアプローチを取り入れることで、人生100年時代における健康的な生活を実現する手助けになるでしょう。
ぜひ、本書で紹介される方法を試してみてください。健康的な生活への第一歩を踏み出すチャンスです。