2025年APT大臣級会合：デジタル化の未来を語る国際的フォーラム

令和7年5月30日から31日、東京のヒルトンホテルでアジア・太平洋電気通信共同体（APT）大臣級会合2025が開催されました。この会合には、アジア・太平洋地域の33か国・地域と2つの国際機関からの代表者が参加し、情報通信技術（ICT）を活用した社会と経済のデジタル化について議論が交わされました。今回の会合では、「東京宣言」が採択され、今後5年間のICTの発展に向けた方向性が示されました。

会合の背景

APTは、5年ごとに大臣級の会合を開催し、ICTの発展に関する重要な宣言を採択してきました。初回の会合は1992年にシンガポールで行われ、その後、日本、タイ、インドネシア、ブルネイ、シンガポールで続いてきました。2000年以来、我が国での開催は二度目となり、多くの期待が寄せられました。

具体的な成果

会合の議長を務めた村上総務大臣は、ICT分野における協力の必要性を強調しました。最終的に採択された「東京宣言」は、以下のような重要なポイントを含んでいます：
1. デジタル接続性：全ての人々が信頼性のあるICTサービスにアクセスできる環境を整えます。
2. デジタルイノベーションと起業家精神：スタートアップや中小企業を支援し、地域から生まれるイノベーションを育成します。
3. 信頼性と安全性：サイバーセキュリティやプライバシー保護に関する取り組みを強化。
4. デジタル包摂と能力開発：全ての人がICTを活用可能にするスキル向上を支援。
5. 持続可能性：環境問題に配慮したICT活用として、気候変動への対応を強化。
6. パートナーシップと連携：APT加盟国間や国際機関、民間との協力を推進。

また、会合最後の晩餐会では、村上大臣が2026年のAPT総会に向けた候補者として堀川亮氏を推薦することを発表しました。この発表は、参加者からも注目を集めました。