廃棄物処理のための新しい挑戦
シンガポールを本拠地とするDigital Entertainment Asset Pte. Ltd.(DEA)と日本のRita Technology株式会社が共同で開発した遠隔ゴミ分別ゲーム『Eco Catcher Battle』が、今、注目を集めています。このゲームは、AIを搭載した自動選別ロボット「URANOS」の機能を活用し、プレイヤーが遠隔地にいる廃棄物処理工場のロボットと連携して実際のゴミを分別することができます。
プレイヤーはタブレットを操作し、流れてくるゴミをスワイプで分別。リアルな廃棄物処理の過程を体感しながら、ポイントを競い合います。『Eco Catcher Battle』は、ただのゲームではなく、廃棄物処理のDX(デジタルトランスフォーメーション)を促進し、一般市民のゴミ分別意識を向上させることを目的としています。
初の実証実験の成果
2024年11月23日、新潟市で開催された初の実証実験では、新潟県、長野県、フィリピンの3チームが参加しました。各チームは子ども、高齢者、障がい者を含む5人1組のチームを編成し、タブレットを使って自動選別ロボットとの連携を楽しみました。参加者からは、ゲームを通展開された学びや楽しさが高く評価され、特に年齢や障がいに関係なく誰でも参加できる点が好評でした。
この実証実験の成功を受けて『Eco Catcher Battle』は、全国の自治体や商業施設でのeスポーツイベントやレクリエーションコンテンツとして展開されることが決定しました。特に、イベント事業を手掛けるIKUSAとの提携により、100種類以上のサービスメニューの一つとして多くの人に届けられることとなります。
社会的影響を持つeスポーツの可能性
DEAは、社会課題解決を目的とした新しいカテゴリ「Social Impact eSports(ソーシャル・インパクト・イースポーツ)」の設立を計画しています。このカテゴリでは、社会貢献につながるゲームを体系化し、楽しみながらも社会に役立つ活動を実現できるゲーム群として展開していく予定です。
『Eco Catcher Battle』の他にも、さまざまな社会課題解決型ゲームが世界中で登場しており、運輸デジタルビジネス協議会が提供する油圧ショベルの遠隔操作スキルを競う「e建機®チャレンジ」などもその一環です。このように、社会課題解決のためのゲームはますます多様化しており、「Social Impact eSports」として一つのジャンルを形成することを目指しています。
新たな社会貢献の形
今回の取り組みにより、DEAやIKUSA、Rita Technologyが力を合わせ、廃棄物処理における労働力不足解消、一般市民のゴミ分別意識向上、地域活性化を実現していきます。遊びを通じて社会貢献を果たし、持続可能な未来を目指すこのプロジェクトは、今後の展開が期待されます。
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