夏のSF特集号!『紙魚の手帖』vol.18が刊行
2024年8月16日に刊行された東京創元社の総合文芸誌『紙魚の手帖』の最新号、vol.18では、今年も夏にぴったりなSF特集が展開されています。この季節ならではの特別な内容が用意されており、SFファンには見逃せない一冊となっています。
新たなSFの世界へ
『紙魚の手帖』は、2018年から2022年まで単行本形式で出版されていた書き下ろしアンソロジーシリーズ《Genesis》を昨年から合流させ、より豊かなコンテンツを提供しています。今年で2年目を迎え、読者に向けた多彩なラインナップが魅力の一つです。
特に注目すべきは、第15回創元SF短編賞の選評や受賞作が特集されている点です。選評に携わったのは、飛浩隆、宮澤伊織、そして小浜徹也の3人。この選評を通じて、SF作品の魅力やその深層に迫る視点が読者に新たな知見をもたらすことでしょう。
目を引く短編小説たち
今回の号では、数多くの著名な作家による読み切り短編が盛り込まれています。たとえば、受賞作「喪われた感情のしずく」では、人工感情の調合に取り組むカリスマ的存在のセクワ・ジュンが、隠された驚きの秘密を持つ新作を披露します。さらに、赤野工作の「これを呪いと呼ぶのなら」や、阿部登龍の「狼を装う」など、各作品がユニークな世界観を展開します。
創立70周年記念企画
また、創刊から70年を迎えた東京創元社にちなんだエッセイや対談も魅力的です。著名作家たちによる「わたしと東京創元社」というエッセイでは、それぞれの思い出や印象が語られ、新たな視点で史実を振り返ることができます。そして、古沢嘉通による解説記事「人間的な、あまりに人間的な二〇二三年ヒューゴー賞騒動」では、昨年の文学賞の背景や意味について掘り下げて解説されています。
さらなる楽しみ
今回の号の特徴として、特別企画の「第24回本格ミステリ大賞贈呈式レポート」もあり、ミステリファンにとっても興味津々な内容と言えるでしょう。さらに、期待の新人や注目の新刊に関するインタビューも掲載されており、文学の最新トレンドを知る良い機会となります。
まとめ
装画を手掛けるのは漫画家・イラストレーターのカシワイさんで、今号のビジュアルも目を引くものとなっています。『紙魚の手帖』vol.18は、SFの魅力を再発見できる内容が詰まった一冊です。この真夏の特集号で、ぞれぞれのヒロインやヒーローたちの冒険を楽しみながら、SFの新しい世界に足を踏み入れてみませんか?
発売中の『紙魚の手帖』は、読者のあなたを待っています。ぜひ手に取って、その世界に浸ってみてください。