いけばなの自由な表現とビジネスの交差点
2025年12月9日、草月流の家元である勅使河原茜が、京都大学経営管理大学院にて特別講義を実施しました。今回は、いけばなの歴史や創造の思想、さらにはその表現がどのようにビジネスに生かされるのかをテーマにした内容でした。
歴史を振り返る
草月流は1927年、初代家元・勅使河原蒼風が、伝統的な固定観念に挑戦し、自由で多様な表現を求めたことからスタートしました。「いけばなは型にはまるものではない」との問いかけは、いけばなが単なる装飾ではなく、個々の思いや感情を表現する手段であることを示しています。
勅使河原茜氏は、こうした草月流の歴史や思想を踏まえながら、講義を進めました。特に「花はいけたら、人になる」という蒼風の言葉に基づき、創作を通じて自分自身を育てていくことの重要性を強調しました。
講義の実施背景と目的
この講義は、早稲田大学ビジネススクール教授である佐藤克宏氏からの要請で実現しました。彼は、受講生に日本の伝統文化の根底にある考え方を知ってもらうことが重要だと考え、勅使河原氏に声をかけました。結果、ビジネスパーソンたちにとっても価値ある学びの場となりました。
講義では、華道のデモンストレーションも行われ、受講生はその様子を間近で体験しました。茜氏は、草月流の特長を実演しながら、いけばなが伝えるメッセージを具体的に示しました。
自由と選択の重要性
草月流では、最初に基礎を学ぶことが求められます。技術や知識を持つことが自由な表現を生み出すための必要条件であるとの考え方から、型をスタート地点と捉え、そこから自分の個性を表現する道筋を見つけ出します。
いけばなは、選択の芸術とも言えるでしょう。どの枝を残し、どこに配置するか、また見る人の視点を考慮することも重要です。茜家元は、受講生にこうした選択の過程を知ってほしいと願っています。
ビジネスとの関係性
講義を受けた学生たちは、いけばなが持つビジネスにおける役割について深く考える機会を得ました。「心に響く作品を作る過程が、ビジネスのプロセスと似ている」との声もあり、真剣に受講したことが伝わってきます。草月流の思想がビジネスにどのように寄与するか、その関連性についての理解が深まったようです。
草月流が目指す未来
草月流は2027年に創流100周年を迎え、さらなる発展を目指しています。「自由」と「創造」の精神を引き継ぎ、新たな可能性を探求する姿勢を強めていくことでしょう。この100周年に向けて、国内外での展覧会や記念祭典を予定しているとのことです。
勅使河原茜氏は、今後もいけばなが持つ無限の可能性を広く発信し続けると語っており、もっと多くの人にいけばなの魅力を伝えていくことでしょう。
まとめ
今回の講義は、伝統文化と現代のビジネスとの関係性を考える上での貴重な機会となりました。受講生が新たな視点を持ち帰ったことで、いけばなの自由な表現とビジネスの可能性を感じることができました。今後も、このような活動を通じて、いけばなの美しさとその背景にある哲学が広がることを期待しています。