コクヨと住友化学が展開するケミカルリサイクルプロジェクト
2024年11月20日、コクヨ株式会社と住友化学株式会社は、共創プロジェクトの一環として、ケミカルリサイクルをテーマにしたワークショップの第4回を開催しました。この取り組みは、参加者に水槽バケツというプロトタイプ品を公開し、今後の循環型社会への意識や異業種企業との共創の可能性について議論しました。
1. 共創プロジェクトの背景
コクヨは2021年に長期ビジョン「CCC2030」を掲げ、その中で「共感共創」を重要な価値観として位置付けています。自社の強みを生かし、社内外のパートナーとの協力によって新しい価値を創造しようという取り組みです。これに対し、住友化学も2021年の本社移転に合わせて「SYNERGYCA(シナジカ)共創ラウンジ」を立ち上げ、外部との共創に注力しています。
このような背景の中、2023年10月に両社の共通の目標である「社会課題の解決に向けたイノベーションを生み出す」という思いから共創プロジェクトがスタートしました。特に、使われなくなった飛沫防止用のアクリルパネルをケミカルリサイクルすることに焦点を当てています。
2. ワークショップの実施と成果
初回のワークショップでは、「循環型社会のための世界観」をテーマに議論が行われました。デザイナー、研究者、コンサルタントなど異なる職種のメンバーが集まり、理想的な社会がどうあるべきかを話し合いました。この会議を通じて、やがて「小学生が使う学習セット」というアイデアが出てきました。
教育現場での利用を考慮し、最終的に開発されたのが水槽バケツです。このプロトタイプ品は、住友化学のケミカルリサイクル技術に基づいて作られたもので、コクヨが持つ高いモノづくりの力が結集しています。
2024年11月20日のワークショップでは、前回のプロトタイプ品である水槽バケツの検証が行われ、また今後の活動への意見交換が活発に行われました。参加者は、循環型社会への意識がどのように変わったか、異業種との協力がもたらす可能性について多くの知見を得ることができました。
3. コクヨが目指す未来
コクヨは、このプロジェクトを通じて、共創を通じたイノベーションの重要性を再認識しました。同時に、企業がそれぞれの強みを持ち寄ることが、より良い社会をつくるための鍵であるとことを理解しています。これからもコクヨは、共創によって新たな価値を生み出し、循環型社会の実現に向けた取り組みを強化していく考えです。
住友化学と協働することで、より多くの人々が参加する循環型社会の実現を目指し、さらに他企業や自治体との連携も進めていく意向を示しています。
このような共創を通じた挑戦が、今後の持続可能な未来に向けた道しるべとなることを期待しています。