桑田貴志 能まつり 「道成寺」公演概要
観世流能楽師の桑田貴志さんが自ら主催する公演「桑田貴志 能まつり」が、2025年6月29日(日)に二十五世観世左近記念観世能楽堂(東京都中央区銀座)で行われます。この公演は、彼がこれまで培ってきた技術を結集し、名曲「道成寺」に再挑戦するものであり、特に15回目の記念公演としての意味も持っています。
「道成寺」とは
「道成寺」は、能楽師が卒業試験としても知られる非常に特異な演目で、演じる者にとっては、一瞬たりとも気を抜けない緊張感が続く作品です。この公演の最大の見どころは、なんと言っても釣鐘の演出。約80kgの大きな鐘が上から下がり、その中にタイミングを合わせて飛び込むという、リスクを伴う場面が展開されます。桑田貴志さんは、赤頭という特殊演出を取り入れて、この難曲に挑むことになります。
演出と出演者
赤頭の演出では、後半の出で立ちが赤い頭と緋長袴に変わります。この衣装は矢来観世家の初代である観世清之の考案とされ、伝統的な演出が盛り込まれています。桑田貴志は、師匠である観世喜之から受け継いだ芸を披露する本公演において、「これぞ矢来観世家の道成寺」と自信を持って演じられるよう努めます。
番組内容
- - 仕舞: 「籠太鼓」観世喜正
- - 卒都婆小町: 観世喜之
- - 狂言: 「樋の酒」シテ(太郎冠者)野村万作
- - 能: 「道成寺赤頭」
- シテ(白拍子・蛇体)桑田貴志
- ワキ(道成寺住僧)福王和幸
- アイ(能力)野村萬斎・野村裕基
- 地謡観世喜正
「道成寺」のあらすじ
物語は紀伊国道成寺で始まります。一人の白拍子が釣鐘の再興供養のために舞い、舞の最中に「この鐘が恨めしい」と鐘の中に飛び込んでしまいます。その瞬間、鐘は轟音と共に落下します。寺の住職は、かつて恋に焦がれた娘が蛇に姿を変えて山伏を追いかけ、鐘に絡みついて彼を焼き殺したという伝説を語ります。住職は白拍子を娘の怨霊だと考え、鐘に祈りを捧げます。すると、白拍子は蛇体の姿となって現れ、彼を追い詰めていきます。
桑田貴志のプロフィール
桑田貴志さんは1971年生まれで、観世喜之に師事しています。彼は公社の能楽協会の会員であり、観世九皐会、緑泉会などで多くの舞台に立ち、新作や海外公演にも参加しています。特に「道成寺」「望月」「安宅」の演目を得意としており、深川で「深川能舞台」を運営し、地域文化の普及に努めています。
公演の詳細情報
- - 公演日: 2025年6月29日 (日)
- - 会場: 二十五世観世左近記念観世能楽堂(東京都中央区銀座6-10-1)
出演者
桑田貴志、観世喜之、観世喜正、野村万作、野村萬斎、野村裕基
公演スケジュール
- - 仕舞: 14:00
- - 狂言: 14:15
- - 休憩: 14:35
- - 能: 14:50
- - 終演: 16:40
※開場は開演の60分前です。
チケット情報
指定席:
- - SS席: 12,000円
- - S席: 10,000円
- - A席: 9,000円
自由席:
- - 自由席: 7,000円
- - 学生席: 4,000円(26歳未満、要学生証)
全席税込。未就学児は入場できません。チケットはカンフェティで好評販売中です。
公式サイト
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