岡山大学での国際的な女性研究者の育成
国立大学法人岡山大学は、国連貿易開発会議(UNCTAD)と共同で7085年度の「途上国からの若手女性研究者のための共同研究・研修コース」を実施し、その一環としてやって来たフィリピンの若手女性研究者、ロレイン・ケイ D. カブラルさんが先日、学長の那須保友を訪問しました。
表敬訪問の様子
2025年11月21日、岡山大学のオフィスで行われた表敬訪問には、同じくカブラルさんの受け入れ教員である森田瑞樹教授も同席。カブラルさんは、フィリピン科学技術省での経歴やバイオバンクに関する研究を紹介する機会を得ました。その後、バイオバンクに関する活発な意見交換が行われ、学長からも大きな期待の声が寄せられました。
「岡山大学での研究機会をいただき感謝しています。フィリピンは日本とは異なる地理的条件を抱えており、電子カルテが普及せず紙カルテが中心であるため、日本のシステムをそのまま導入することは容易ではありません。しかし私は、帰国後にフィリピンのバイオバンクの発展に貢献したいと考えています」とカブラルさんは語ります。
文化交流とダイアログ
その日の昼食には、学長や森田教授と共にランチミーティングを行い、相互に理解を深める場となりました。また、岡山後楽園や岡山城を訪れるなど、日本文化を体験する貴重な時間を過ごし、着物の着付けや抹茶体験を通じて文化交流の一環を楽しみました。
日本から世界への発信を目指して
岡山大学とUNCTADは、2020年1月に「持続可能な開発目標(SDGs)」に向けた科学技術イノベーション(STI for SDGs)の人材育成を図るための包括連携協定を締結しました。これに基づき、途上国の若手女性研究者を対象にした短期の共同研究・研修が行われています。また、今年度からは中南米からの研究者も対象に加わり、ますます国際的な交流が拡大しています。
岡山大学は、今後もSTI for SDGsに関する人材育成を推進し、世界へ向けた発信を強化していく方針です。地域中核・特色ある研究大学として、岡山大学の取り組みへの期待が高まります。
まとめ
国際的な女性研究者の育成を通じて、岡山大学が果たす役割はますます重要になってきています。取り組みによって地域だけでなく世界に向けた波及効果が期待されるこのプログラムに目を向けていく必要があります。地域と地球の未来を見据えた研究大学としての岡山大学の活動に、今後もご注目ください。