I-PEXが新しい容量を持つアクティブカッパーケーブルを開発
I-PEX株式会社は、エンタープライズ向けに設計された新たなアクティブカッパーケーブル「CABLINE(R)-CA IIEQ PLUS 112G」の開発に着手したと発表しました。これは、112Gbps PAM4という最新の高速通信規格に対応し、サーバーやスイッチなどの通信機器におけるシグナルインテグリティ(SI)の向上を目指しています。
開発の背景
近年、データセンターや通信インフラの拡大に伴い、高速データ転送の必要性が急速に高まっています。この状況を受けて、新しい技術を求める声が大きくなり、各種機器のパフォーマンスにとってシグナルインテグリティが一層重要視されています。また、従来の太いケーブルはエアフローを阻害し、発熱問題を引き起こすリスクがあるため、これらを解決できる新たな技術の開発が必要でした。そこでI-PEXは、112Gbps PAM4に対応し、さらに細いAWG#46ケーブルを採用したアクティブカッパーケーブルの研究製品「CABLINE(R)-CA IIEQ PLUS 112G」の開発を進めることになったのです。
CABLINE(R)-CA IIEQ PLUS 112Gの特長
この新型アクティブカッパーケーブルは、以下の特長を備えています:
- - 高速伝送:112Gbps PAM4をサポートし、スムーズなデータ転送を可能にします。
- - 省スペース設計:AWG#46の細径ケーブルを採用することで、回路基板内のスペースに無駄がなく、エアフローが改善されます。
- - フレキシビリティ:細いケーブルの採用により、配線が容易になり、エラーハンドリングが向上しています。
- - 優れた伝送ロス抑制:内蔵されたイコライザーが伝送ロスを最低限に抑え、高速処理を実現。
- - 電磁ノイズへの配慮:ZenShield(R)フルシールド構造がEMC対策となり、ノイズの影響を軽減します。
製品の仕様
- - 製品名:CABLINE(R)-CA IIEQ PLUS 112G
- - 嵌合タイプ:水平
- - ピッチ:1.2mm(差動ペア)
- - ピン数:最大60ピン(16差動ペア)
- - 寸法:高さ2.0mm、奥行き27.0mm、幅30.95mm
- - ケーブル規格:細線同軸AWG#38以下
- - ロック機構:メカニカルロック付き
今後の展開
「CABLINE(R)-CA IIEQ PLUS 112G」は、2024年10月15日から17日までアメリカ・カリフォルニア州サンノゼで開催される「OCP 2024」で参考出展されます。なお、量産開始日については未定です。I-PEXは、この技術革新を通じて、デジタル社会に貢献し、通信インフラの性能を更に向上させていくことでしょう。
I-PEX株式会社について
I-PEX株式会社は1963年に設立され、以来、電子機器用コネクタの分野で数多くの世界初の技術革新を遂げてきました。現在は、「コネクタ及びエレクトロニクス機構部品」「自動車関連部品」「半導体設備」の3つの主要領域で事業を展開しています。I-PEXは、今後も「最・尖端を、世界へ」の理念のもと、ものづくりのエキスパートとして、世界の技術革新をリードし続けていくことでしょう。