サクソバンク、2024年第3四半期市場予想を発表！円高の可能性と米ドル安継続の見通し

サクソバンク証券株式会社は、同社のアナリストチームによる2024年第3四半期の市場予想を発表しました。注目すべきは、日本円と米国経済に関する見通しです。

日本円：日銀の利上げ効果は限定的？円高の可能性も

サクソバンクは、FRBの利下げが近づくにつれて、キャリートレードが巻き戻されるリスクが高まっていると指摘しています。また、日銀がタカ派的な姿勢を示すものの、利上げの効果は限定的で、円高に繋がるまでには至らないと予想しています。しかし、FRBの緩和期待を考慮すると、円のショートポジションのリスク管理の強化が必要となる可能性も指摘されています。

米国経済：不安定なディスインフレと米国選挙が影を落とす「砂上の経済」

サクソバンクは、米国経済を「砂上の経済」と表現しています。米国選挙を背景に、FRBが不安定なディスインフレのリスクの中でタカ派に転じるのではなく、わずかな景気低迷の兆候でハト派に傾く可能性があるためです。このことは、ドル安の傾向が第3四半期まで続くことを示唆しています。

ただし、米ドルに対するリスクは、バリュエーションの修正と伸びきったロングポジションの調整により、より均衡が取れているとも分析されています。米ドルの高利回りは依然として支持的要因であり、米国経済が深刻な状況に陥らなければ、利下げサイクルは緩やかに始まると予想されます。また、米国選挙を控えて、安全資産である米ドルへの需要も持続すると見られています。

その他の注目トピック

サクソバンクは、日本円と米国経済に加え、コモディティ、株式、債券についても分析結果を発表しています。コモディティでは、金属よりもエネルギーと穀物に注目すべきだとし、株式では欧州株式と電化テーマに焦点を当てています。債券に関しては、不透明なインフレ見通しと金融政策により、欧米ソブリン債利回りはレンジ内で推移すると予想されています。