江戸っ子の肴
2024-08-30 21:21:54

江戸文化を楽しむ!「夏を彩る江戸っ子の肴」セミナー開催

日本酒の魅力を伝えることを目的とした「日本の酒情報館」が、江戸の食文化に焦点を当てた特別講座『夏を彩る江戸っ子の肴』を開催しました。この講座では、江戸の酒文化を社会的背景とともに学び、参加者は歴史的な酒の楽しみ方を体験しました。元々酒どころとして名高い江戸では、居酒屋文化が独自に発展し、庶民の日常に根付いた食文化を形成していました。

講師は、江戸の食文化史に精通した飯野亮一先生。彼の解説によれば、江戸時代の人々は酒を楽しむために様々な工夫をしており、その実例を挙げながら講座が進められました。このイベントは特に土用の丑の日にちなんだ料理をテーマにしており、江戸で愛されていた主な肴が紹介されました。参加者は、飯野先生の話を聞きながら、実際に江戸文化を感じるお弁当と共に、8種類の日本酒を試飲しました。

江戸時代の酒は主に上質な「下り酒の諸白」で、その輸送過程における独特の熟成効果も美味しさの一因でした。酒屋での「量り売り」が定番スタイルとなり、当時は自宅で酒を楽しむことが一般的だったことも興味深い点です。また、江戸の町では振り売りと呼ばれる商売形態が盛んで、季節ごとの新鮮な肴を自宅で手軽に手に入れることができました。

江戸の食文化において、特に重要だったのは「土用の丑の日」に食べる鰻の存在です。これは元禄時代に始まり、江戸時代を通じて大衆に親しまれてきました。飯野先生は、鰻が如何に江戸の食文化に浸透していったのかを詳しく解説しました。特に、当時の鰻屋や蒲焼の歴史は面白く、屋台スタイルで鰻を売る辻売りの様子は、現代でも私たちに笑顔をもたらすような楽しさがあります。

また、夕河岸の鯵売りの話も印象的でした。日本橋を拠点とした江戸では、新鮮な魚介類が手に入りやすく、毎日の暮らしの中で地元の美味しいものを楽しむ文化が形成されていました。夕方の涼しい時間に獲れたてのアジを売り歩く商人たちの姿は、当時の人々にとって喜ばしいものであったに違いありません。

それに加え、世間で流行っていた新芋売りやおでん売りのエピソードも語られました。特に新芋は日本料理において重要な位置を占めており、旅館や酒屋でもその味を堪能することができました。おでんは初期は田楽として楽しむスタイルが主流で、その後徐々に煮込みおでんが普及していったなど、食文化の移り変わりに関する話も非常に興味深かったです。

この講座を受けた参加者たちからは「日本酒と食文化について深く触れることができ、とても楽しかった」といった感想が寄せられました。今田周三館長は「江戸の食文化を次の世代にも伝えていきたい」と語り、今後もこのようなセミナーを続けていく意向を示しました。

日本の酒文化がユネスコの無形文化遺産に登録されることを目指す昨今、こうした活動は重要な役割を果たしています。今後も「酒にまつわる大人の嗜み講座」はシリーズで開催される予定で、次回は2024年9月に「講談と和菓子で楽しむ日本酒の夕べ」が予定されています。


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会社情報

会社名
日本酒造組合中央会
住所
東京都港区西新橋1丁目6番15号日本酒造虎ノ門ビル
電話番号
03-3501-0101

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