田中貴金属ビルディングが2025年度グッドデザイン賞を受賞
株式会社田中貴金属グループがこの度、東京都中央区に新設した本社ビル「田中貴金属ビルディング」が2025年度のグッドデザイン賞を受賞したことが発表されました。新本社は2024年4月1日に本社機能を移転し、創業地である茅場町に再び根を下ろしました。
新本社の背景とビジョン
田中貴金属は1885年に創業し、長年にわたって貴金属業界での地位を確立してきました。2006年には本社を丸の内に移転しましたが、2024年に発展著しい茅場町に戻ってきました。この移転には、地域の再開発や多世代の交流を重視したビジョンがあり、「つながろう。人と、街と、未来と。」というコンセプトが設けられています。新本社は、様々な人々と関わり、多様な価値観を受け入れていく場としてデザインされました。
ビルのデザインと機能
新本社ビルでは、外観に落ち着いた色味を使い、限られたスペースを上手に活用しながら植栽を取り入れています。これにより、歴史的な茅場町との調和を図っています。また、ビル内部には従業員同士の円滑なコミュニケーションを促進するための吹抜け階段が設けられており、自然光や風が通り抜ける「クルーシブルスペース」は多様な交流を生む象徴的な空間に仕上げられています。
さらに、フリーアドレスや個人作業に適したウェブ対応のブース席、ミーティングスペースなどが巧みに配置されています。これにより、従業員は仕事内容に応じた柔軟な働き方ができるようになっています。
環境への配慮と評価
建物全体は、エネルギー削減に向けた高度な設計がなされており、従来のエネルギー消費量の51%を削減する仕組みを取り入れられています。これにより、「ZEB(Zero Energy Building) ready」の基準をクリアする環境性能を持つ建物としても評価されました。グッドデザイン賞の審査員たちからは、街、人、未来をつなぐテーマが明確に表現されているとのコメントが寄せられています。
田中貴金属の未来へ向けた歩み
田中貴金属は、貴金属に関するプロフェッショナル集団として、国内外のグループ各社と密に連携しつつ、製品やサービスを展開しています。新たな拠点である田中貴金属ビルディングを通じて、これからもイノベーションを追求し続け、未来を切り開く企業としての姿勢を貫いていくことでしょう。2024年度の連結売上は8469億円を見込んでおり、従業員数は5591人を擁しています。
総括
田中貴金属ビルディングが受賞した2025年度グッドデザイン賞は、デザインの質や社会の課題に対する解決策としての役割の重要性を示すものです。この新しい拠点が、貴金属の専門性を活かしながら、地域との関わりを深めることで、田中貴金属自身もさらに高みへと成長することが期待されています。