昨今、社会の多様性が求められる中、女性起業家支援のためのプロジェクト「LED関西 powered by 大阪信用金庫」が注目を浴びています。関西地域の女性起業家が自らのビジネスプランを発表し、優れたビジネスアイデアを持つ起業家を支援するこの取り組みに、株式会社抹茶ツーリズムの新条正恵社長がファイナリストとして選ばれました。新条氏は「宇治茶800年の歴史を次世代に繋ぎたい!」という理念を持ち、そのビジョンのもとにビジネスプランを発表しました。
「LED関西」は、様々な課題をビジネスを通じて解決したい女性起業家を支援するプロジェクトであり、今年は過去最多となる500件以上の応募がありました。その中から厳選された10名がファイナリストとして選ばれ、3月10日に行われたピッチイベントで自身のアイデアをプレゼンテーションしました。新条氏はこの場でサポーター賞を受賞し、彼女の取り組みに対する評価が示されました。
株式会社抹茶ツーリズムは、宇治茶の主産地である京都府和束町を拠点とし、2023年に設立されました。高齢化等により消えゆく茶葉生産地の現状を目の当たりにし、故郷と世界の架け橋となることを目指し、インバウンド富裕層向けの体験ツーリズムを2024年4月からスタートさせる計画です。新条氏自身も和束町に移住し、地域のイベント運営や認知度向上への取り組みに参加するなど、地域貢献を重視しています。また、空き家や耕作放棄地を活用して日本の過疎地に新たな経済の流れを生み出すことに努めています。
本プロジェクトでは、26社からの協賛があり、地元の企業やスタートアップを支援する金融機関に加え、様々な業種の企業が関心を示しています。地域の創生や異業種間でのビジネスコラボレーションにも繋がっており、今後の展開に大きな期待が寄せられています。
新条氏は、女性起業家として多くの受賞歴を持ち、自らのビジネスを通して地域社会の活性化を目指しています。特に、京都女性起業家賞の最優秀賞や京信・地域の起業家アワードでの優秀賞受賞は、その成果の一部です。これらの賞を通じて得た人脈や知見を活かし、新たなビジネス展開を見据えています。
新条氏は、関西の経済界とのつながりを深める中で、特に「LED関西」においてはスタートアップを応援したい企業との交流ができたことを貴重な経験と捉えています。未来に向けた提携や新商品開発の準備も進んでおり、抹茶の展開を通じて日本文化の魅力を発信する意気込みを見せています。
新条氏は、ファイナリストとしての経験を通じてビジネスモデルのブラッシュアップや事業PRについての学びを得たと語ります。自らも培った国際的な経験を活かしつつ、日本国内でのプレゼンテーションスキルを磨く機会として位置づけています。彼女が活動の中心とする和束町は、抹茶の産地として歴史と伝統を誇り、さらなる成長が期待されています。
「やりたいことはあるが自信が持てない」と感じる方にとって、女性起業家支援プロジェクトの参加は大きな支えになると新条氏は考えています。支援したい企業や人との繋がりを通じて、持続可能なビジネスモデルの構築に向けた仲間が増えていくことを願っています。
新条正恵氏は、宇治茶農家の五世代目として育ち、外資系金融機関でのキャリアを経て、2014年より独立してビジネスを展開。様々な分野で活動し、多国語を話すスキルを持っており、数冊の著書も出版しています。2023年には「五感で楽しむ古民家抹茶カフェプロジェクト」の推進に向けて株式会社抹茶ツーリズムを設立し、地域の発展に貢献しています。このような新条氏の取り組みは、地域の未来を明るく照らす希望の光となるでしょう。