組織の成長に必要な知財戦略とは
2025年3月10日、株式会社Thinkerの藤本弘道CEOが「KANSAI Business×IP Forum」に登壇し、スタートアップにおける知財戦略の重要性について語る。知財の適切な活用は、企業の競争力を高めるために不可欠な要素とされており、今後はその戦略的な取り組みがますます求められることになるだろう。
スタートアップにおける知財の役割
令和4年度、内閣府知的財産戦略本部は「スタートアップ・大学を中心とする知財エコシステムの強化に向けた施策の方向性」を検討。その結果、知財がスタートアップの成長において重要な役割を果たすことが確認された。知財を持つことが競争優位性に直結するため、このエコシステムの構築が急務となっている。
フォーラムでは、スタートアップ、ベンチャーキャピタル、知財専門家が一堂に集結し、実際の成功事例や課題について議論される。このイベントは、関西の知財を活用した支援プラットフォームやK-IPASの成果を報告する重要な場でもある。
Thinkerのアプローチ
Thinkerは、近接覚センサーを中心に「ロボットハンドの民主化」に取り組む企業として設立された。顧問には岡本直樹国際特許事務所の岡本直樹弁理士を迎え、知財戦略における豊富な知見を活かしつつ、持続可能な成長を目指している。
藤本CEOは、「発明者自身が気づいていない『発明の技術的範囲』を明確にすることが、競合に対する参入障壁を強化する」とし、単なる知財の“活用術”ではなく、戦略的アプローチの重要性を強調。具体的には、以下の3点に焦点を当てて議論する。
1.
市場を意識した知財の武器化: スタートアップがどのように知財を活用し、競争優位を築くことができるのか。
2.
知財エコシステム構築に必要な支援: スタートアップへの具体的な支援方法やネットワークの必要性。
3.
関西地域の支援取り組み: K-IPASや関西知財活用支援プラットフォームの成果とその意義。
日本のスタートアップへのメッセージ
藤本CEOは、VCとのディスカッションや実際の経験を踏まえ、日本のスタートアップが直面している課題についても触れる。「知財戦略は、単に知財の管理にとどまらず、事業成長を推進するための強力なツールになり得る」との言葉を残し、参加者へ強いメッセージを送る。
本フォーラムでは、知財の専門家による講演や企業事例の紹介、パネルディスカッションなどが行われ、多様な視点からの知見が得られる。知財戦略の重要性が企業運営においていかに大きな影響を及ぼすのか、今後のスタートアップの未来を見据えたインスピレーションが得られるだろう。
- - 日時: 2025年3月10日 13:00-16:20
- - 開催形式: 対面およびオンライン
- - 会場: QUINTBRIDGE(大阪府大阪市)
さらに詳細な情報や参加申し込みは、
公式サイトから確認できる。知財の活用が将来的な成長に繋がることを理解し、戦略的に取り組むことで、スタートアップは新たな一歩を踏み出すことが可能になる。