タイで「空飛ぶクルマ」の実用化に向けた取り組みが本格化!
東急株式会社がタイ王国で展開する「サハ東急コーポレーション」は、次世代エアモビリティ「空飛ぶクルマ」の開発・製造を行う株式会社SkyDriveと、サハグループの中核企業であるサハ・パタナ・インターホールディング(SPI)の3社間で、タイ王国における将来的な空飛ぶクルマを用いた事業実現可能性調査に向けた基本合意書を締結しました。
タイ王国・シラチャは、バンコク中心部から南東約100kmに位置し、周辺には製造業を中心とした日系企業が集積しています。そのため、バンコクに次いで多くの日本人が暮らしており、タイ政府が産業誘致を進めるEEC(東部経済回廊)内にも位置しています。
サハ東急は、これまでシラチャで、タイ駐在の日本人子育て世帯向けの「ハーモニック レジデンス シラチャ」と、単身および夫婦の日本人駐在員向けの「グリーンライフ シラチャ」の2つのサービスアパートメントを運営してきました。安全で快適な生活環境を提供することで、高い評価を得ています。
今回の合意は、サハ東急がシラチャにおける新産業誘致に伴う関連企業の集積や就労人口増加による不動産サービス需要の拡大を目指していること、SPIが消費財事業、食品・飲料事業、工業団地開発などの投資事業を行い、持続可能なビジネスの価値向上を目指すこと、そしてSkyDriveが「100年に一度のモビリティ革命を牽引する」というミッションを掲げ、アジア地域においても「日常の移動に空を活用する」未来の実現を目指すこと、これらの3社の意思が合致した結果によるものです。
シラチャを起点に「空飛ぶクルマ」の実用化を検討
本合意書に基づき、自動車による慢性的な交通渋滞や排気ガスによる環境汚染が社会課題となっているタイにおいて、まずはシラチャを出発点として、SkyDriveが開発する空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SD-05)」を活用したユースケースを検討していきます。
サハ東急は、これまでのタイにおける事業で獲得した日系企業をはじめとするネットワークを活用し、SkyDriveのタイ進出ならびにSPIとの連携をサポートします。さらに、本事業の推進主体として、SkyDriveとサハグループとの共同事業を牽引していきます。また、本事業をはじめとする新産業の誘致に伴い増加することを見込む拠点整備や従業員の生活環境などの場面において不動産サービスの提供を実施します。
新産業との連携による地域活性化
サハ東急は、SkyDriveのような先端企業をはじめとする新しい産業との連携を強化することで、新たな付加価値をもたらす多様な産業集積エリアを構築し、より一層魅力溢れるエリアへ発展させることを目指しています。今回のSkyDriveとの連携をきっかけに、他業種との連携を加速させ、タイにおける地域経済の振興と向上に貢献していく方針です。
SkyDrive、サハ・パタナ・インターホールディングの概要
SkyDriveは、「100年に一度のモビリティ革命を牽引する」をミッションに、「日常の移動に空を活用する」未来を実現するため、2018年7月に設立されました。豊田市を主拠点に「空飛ぶクルマ」及び「物流ドローン」を開発しています。2020年には日本で初めて公開有人飛行試験に成功し、官民協議会の構成員として制度設計にも関与しています。現在、3人乗りの機体を開発中で、製造パートナーであるスズキ株式会社と共に、2024年3月よりスズキグループの工場にて製造を開始しました。2026年以降に型式証明の取得および納品開始を目指しています。
サハ・パタナ・インターホールディングは、タイ王国における大手財閥の一つであるサハグループの主要持株会社として、1972年4月5日に設立されました。サハグループは、幅広い消費者へ向けて「ママー」「ワコール」「パオ」「エッセンス」「ミスティーン」をはじめとする多くのブランドを有し、多岐に渡る消費財の製造ならびに販売しています。原材料から製造、販売まで網羅する広範なサプライチェーンを構築しています。
サハ東急コーポレーションの概要
名称: サハ東急コーポレーション株式会社
所在地: 444/4 Moo. 5, Surisak, Sriracha, Chonburi 20110 Thailand
代表者: 取締役社長 須山 真慈
事業内容: 不動産開発業・不動産賃貸業
資本金: 792百万タイバーツ
設立年月日: 2014年10月1日
出資比率: 東急グループ(東急、チョウカンチャン東急建設)50%、サハグループ 50%
サハ東急公式ホームページ: https://www.sahatokyu.com/home?lang=en
サハ東急による事業例
ハーモニック レジデンス シラチャ: タイ駐在の日本人子育て世帯向けサービスアパートメント、総室数212戸、55,000タイバーツ~/月、24時間セキュリティ、日本語対応フロントデスク、カフェ、図書室、音楽室、体育館、テニスコートなどを完備。2016年4月開業。
グリーンライフ シラチャ: タイ駐在の日本人単身世帯及び二人暮らし向けサービスアパートメント、総室数75室、27,000タイバーツ~/月、24時間セキュリティ、日本語対応フロントデスク、コワーキングスペース、ゴルフルームなどを完備。2020年1月リニューアルオープン。
今回の合意は、タイ王国における「空飛ぶクルマ」事業の実用化に向けた重要な一歩となります。今後の進展に注目が集まります。