AI基盤技術検証
2026-05-19 15:10:33

NTTインテグレーションとIBM、次世代AI基盤の技術検証を開始

NTTインテグレーション株式会社と日本IBMが、日本国内では初めてとなるエンタープライズ向けAIアクセラレーター『IBM Spyre Accelerator for Power』を利用した次世代オンプレミスAI基盤の技術検証を開始しました。本プロジェクトは、企業がより安全かつ効率的にAIを活用できる環境の実現を目指しており、2026年10月のサービス提供を目指しています。

近年、生成AIや大規模AIモデルの利用が加速する中で、企業は新たな課題に直面しています。その一つが、AI推論基盤における電力消費の増加と、それに伴うデータセンターの電力制約です。従来のGPUを使用したAI基盤はパフォーマンスに優れていますが、電力消費や設置要件が大きく、持続可能なAI活用には課題が残されています。また、生成AIやRAG(Retrieval Augmented Generation)の導入・運用には専門知識が必要であるため、特定のIT人材に業務が集中する傾向があり、現場での自立的なAI活用を難しくしています。

特に、機密性の高い基幹データを扱う企業にとって、データを外部環境に移さずに安全にAIを活用できるソリューションの需要が高まっています。製造業の設計部門や生産現場などでは、設計図面や製造プロセスデータなど、厳重に管理される知的財産や機密情報が多く、これらを社外に持ち出さずにAIを利用できる環境が求められています。

このような背景の中、日本IBMのAIアクセラレーター『IBM Spyre』が注目されています。これにより、AI推論処理を特化した設計が可能となり、効率的な電力使用と設置要件の軽減を実現できます。GPUサーバーの導入には、しばしば大規模な電源や冷却設備の改修が必要ですが、IBM SpyreはIBM Power11サーバーにアドオンカードとして追加できるため、既存のインフラを大きく変更せずにAI推論機能を追加できます。また、基幹業務データをサーバー内で処理するため、外部へのデータ移転が不要で、セキュリティやデータ主権にも配慮されています。

今回の技術検証では、IBM Power11とIBM Spyreを組み合わせることで、AI推論基盤の有効性を評価します。基幹業務データとAI推論処理を同じ基盤上で連携させ、データ移動なしにAIを活用する構造を確認し、高いセキュリティと運用効率を両立させることを目指します。さらに、消費電力や運用負荷、生産性の面でも評価が行われ、企業が実際に導入できるAI基盤の可行性を探ります。

NTTインテグレーションは自社を『クライアントゼロ』として、実務レベルの知見を蓄積して取り組む予定です。実際の業務でのAI導入やRAGを活用した社内ナレッジの検索など、現実のユースケースに基づいて検証を進め、得られた知見を今後のサービスに反映していきます。AI活用の基盤は用途や業務特性によって異なるため、NTTインテグレーションでは、x86サーバーやIBM Power、オンプレミス、クラウドを組み合わせた最適な実行環境を整える「全方位的AI基盤」の構築を進めています。

今後、NTTインテグレーションと日本IBMは実機を用いたショーケース環境を整備し、導入検討を支援します。この取り組みにより、企業におけるAI基盤の性能や運用の具体的なイメージを示し、導入を促進することが期待されます。また、本技術検証の成果を基に、次世代AI基盤サービスの提供に向けた準備も進められ、提供開始は2026年10月を予定しています。これにより、企業のAI活用が一層進展することが期待されています。

会社情報

会社名
NTTインテグレーション株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社
住所
電話番号

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