国内初の第一種型式認証を目指す大型ドローン「PD6B-CAT3型」
2025年6月、千葉県幕張メッセで開催される「Japan Drone 2025」において、愛知県名古屋市に本社を置く株式会社Prodroneが自社初の大型ドローン「PD6B-CAT3型」を一般公開します。これは日本で初めて第一種型式認証の取得を目指すものであり、航空機の基準を満たすことを意味しています。
多様な用途への対応
「PD6B-CAT3型」は、さまざまなニーズに応えるために設計されました。特に、ドローンによる物流や測量の効率化、自然災害時の物資輸送など、省人化が促進される場面での活用が期待されています。将来的には、人口密集地でのレベル4飛行が可能となり、物流業界やインフラ管理、さらには点検作業においても活躍が見込まれています。
近年増加する自然災害や国際的緊張を考慮し、Prodroneは「あいちモビリティイノベーションプロジェクト」への参加を通じて、防災と防衛に関連した技術の進化を追求しています。「災害はもはや平時だ」という考えのもと、強靭なモビリティ社会の実現を目指しています。
型式認証の取得プロセス
型式認証の取得には多くの時間と資金が必要ですが、Prodroneは安全で信頼性の高い機体を開発し、その安全性を証明することが社会実装の進展に不可欠であると認識しています。2023年11月に国土交通省航空局へ申請を行い、現在は飛行試験の段階に入っています。今後1年半程度を見込む中で、型式認証の取得を目指して精力的に試験を行う予定です。
モジュール化された機体設計
また、機体の構造はモジュール化されており、上部は一般設計であり、下部は用途に応じて変更可能です。これにより、さまざまな場面での利用が可能となり、物流や測量など、求められる機能に対応することができます。
PD6B-CAT3型の仕様と特徴
- - 機体寸法: 約2.2m x 約2.4m x 約0.7m
- - 最大離陸重量: 約45kg
- - 最大積載重量: 約18kg
- - 最大巡行速度: 約12m/s(約43km/h)
- - 最大航続時間: 約30分
本体の価格は1,200万円(税別)からで、型式認証の取得予定時期は2025年10月頃とされています。本機体は、すべての基準に対応することを重視して設計されており、多くの応用が可能です。
Prodroneの目指す未来
Prodroneは、「地域から一番信頼されるドローンカンパニーになる」というビジョンを掲げ、中部地区におけるドローンエコシステムの育成に力を入れています。これまでも様々な産業用ドローンを開発しており、これを基に新たな型式認証ドローンの開発に挑んでいます。
最終的にProdroneは災害対応や地域の課題解決、インフラ維持など、多様な領域への貢献を目指し、さらなる技術革新を追求していきます。今後の進展に注目が集まります。