未来の眼科医療を変える！VRと小児弱視訓練プログラムの新展開

未来の眼科医療を変える！

2025年に開催される日本国際博覧会、大阪・関西万博において、医療における革新的な取り組みが注目を集めています。その中で、大学発のベンチャー企業であるInnoJin株式会社が登壇し、未来の眼科医療の可能性を示しました。

イベントの概要

InnoJin株式会社は、ロート製薬株式会社が主催する「ROHTO Healthcare DAY～Feel Science & Passion～」にて、VR（仮想現実）を活用した小児弱視訓練用プログラムを紹介しました。このイベントは、大阪府と市が推進する「大阪ヘルスケアパビリオン」の一環で、来場者との距離を縮める場としても機能していました。

当日はあいにくの雨模様でしたが、多くの来場者が訪れ、InnoJinの取り組みは盛況のうちに終えました。特に、VRを使った弱視訓練体験が提供され、その反響は上々でした。

体験内容と反響

イベントでは、リアルタイムに体験できるVR訓練プログラムが登場しました。10名以上の聴講者にこのプログラムを体験していただいたところ、「ゲーム感覚で楽しめそう」「アイパッチよりも継続しやすそう」といったポジティブな意見が多く寄せられました。従来の治療法には心理的な負担が伴うことが多かったのですが、VRを通じて遊びながら訓練できることで、治療が楽しい体験になると期待されています。

小児弱視治療の新しいアプローチ

小児弱視とは、片方の視力が十分に発達していない状態を指し、既存の治療法では「健眼遮閉」が主流です。この方法では、見える方の目にパッチを貼ることで弱視の目を使わせる手法が取られていますが、心理的な負担が大きく、子どもや保護者にとって継続するのが難しいという課題があります。

InnoJinの新プログラムでは、子どもがVRゴーグルを装着し、けん玉や卓球などのゲームを通じて自然に弱視の目を使うことができるように設計されています。このアプローチは、治療を「楽しい体験」に変え、継続率の向上を目指しています。

今後の展望

InnoJinは、現在いくつかの医療機関と協力し、臨床研究と実用化の取り組みを進めています。将来的には、医療機関を通じて家庭でも利用可能な弱視訓練プログラムを提供することを目指しています。同社は、「すべての子どもが視力のハンディキャップを抱えることなく成長できる社会」の実現に向けて、革新的な医療ソリューションの研究と開発を今後も進めていく方針です。