環境配慮型コンクリート「CELBIC」の革新
近年の環境問題への関心の高まりに伴い、持続可能な建設方法が迫られている中、日鉄興和不動産株式会社が手掛ける「(仮称)BIZCORE飯田橋計画」はその一例となります。本計画の地上躯体のスラブコンクリート工事において、受注者の株式会社鴻池組が環境に配慮したBFコンクリート「CELBIC」を導入しました。この取り組みにより、コンクリートに関連するCO₂排出量を約28%削減することに成功しています。
CELBICの選定と使用
「CELBIC」は、普通ポルトランドセメントの30%を高炉スラグ微粉末(BF)に置き換えたA種クラスのコンクリートです。高炉スラグは、製鉄過程で得られる副産物であり、これを使用することで資源の有効利用が図られています。さらに、今回の工事では、使用された高炉スラグ微粉末は日本製鉄株式会社が製造したエスメント®であり、これもまた環境に配慮した素材として注目を集めています。
高炉スラグ微粉末を利用することで、コンクリートのCO₂排出量を大幅に削減できるだけでなく、高い強度保持や耐久性を実現することも可能です。本工事では、5,245.23㎡の延床面積を持つ地上9階建ての鉄骨造の建物を建設予定であり、予定工期は2023年9月から2025年7月までとなっています。
環境配慮の新たな試み
CELBICの利用は、持続可能な建設業界への第一歩と言えます。日鉄興和不動産と鴻池組は、今後も脱炭素社会に向けた建設方法の普及に力を入れていくとしています。コンクリートによって発生するCO₂の多くは、セメントの製造過程に起因しています。そのため、これを高炉スラグ微粉末に置き換える行為は、環境への負荷を軽減するための確実な手段であると言えるでしょう。
エスメント®の特長
工事に用いられたエスメント®は、焼成工程が不要なため製造時のCO₂排出量やエネルギー消費が少なく、非常に環境に優しい材料です。一般的なセメントに比べてこの新素材を採用することで、持続可能な社会づくりに貢献できるでしょう。また、CELBICの特性を活かしつつ、部位に応じた高炉スラグ微粉末の使用率を変えることで、必要な品質を維持しつつ環境負荷を低減する施工を実現します。
まとめ
「BIZCORE飯田橋計画」におけるCELBICの導入は、持続可能な建設業界の未来を切り開く一歩です。今後もこうした取り組みが広がり、より多くのプロジェクトで環境に配慮した材料が用いられることを期待しています。地域や業界全体での環境意識の高まりが、持続可能な未来に繋がることを強く願っています。