AIでフレイル予防を実現!
順天堂大学が日本医療研究開発機構(AMED)の『令和8年度長寿科学研究開発事業』に採択され、介護予防や重度化防止に向けた新たなAI活用の取り組みが始まります。高齢化が進む日本において、高齢者の健康寿命延伸は重要な課題であり、特に「フレイル」と呼ばれる状態の理解と予防が求められています。
フレイルとは何か?
フレイルは、健康な状態と要介護状態の間に位置する可逆的段階で、進行することで健康を損なう可能性があります。そのため、早期に発見し、適切な介入を行うことが重要です。しかし現状、評価の方法が限られているため、効果的なサポートが難しいという問題も存在しています。
事業の目的
本プロジェクトでは、AIを用いたフレイルの早期検出や個別化介入を実現する研究が行われます。具体的には、以下のような目標を掲げています。
1. 高齢者特有の疾患に着目し、予防手法の開発。
2. 介護を要する状態でも生活の質を維持するケア方法の開発。
3. 質の高い医療・介護サービスの普及を目指す研究成果の創出。
4. 研究成果を社会に実装するための取り組み。
フレイル予防に向けたAIの活用
研究の中心である「フレイル予防の介入のループを実現するAIによる早期検出・個別化介入統合モデル」は、順天堂大学医学部附属東京江東高齢者医療センターで行われます。実施は2023年5月から2024年3月まで予定され、松田雅弘教授を代表に、多くの専門家が協力しています。
具体的なアプローチ
このプロジェクトでは、日常生活での動作、例えば立ち上がりや歩行をタブレットで撮影し、最新のAI技術を駆使して詳細に分析していきます。体の動きをマーカーなしで解析する技術により、身体機能だけでなく、心理・社会的な要因も考慮した包括的なフレイル評価が可能となります。また、個々の進行パターンに応じた運動支援や生活指導が提供されることで、より効果的な介護予防が期待できます。
未来の展望
このAIシステムの運用により、医療や介護の現場で直面する人材不足の問題を解決できる可能性があります。使いやすいソフトウェアやアプリの形で、介護施設や地域の健康診断の場でも導入されることを目指しています。
研究者の視点
研究者たちは、フレイルや要介護状態の進行を防ぐことが、長寿化社会においての大きな課題であると考えています。デジタル化が進むこの時代に、身近なデバイスを用いて自分の健康状態を簡単にチェックできることは、今後の高齢者支援において非常に重要です。これにより、利用者自身が健康に気を付け、必要に応じて専門家に相談できる体制が構築されることを期待しています。
本研究が成功することで、高齢者がより健康で自立した生活を送るための大きな助けとなるでしょう。