新たな「総合型選抜(とんがりAO)」の導入
東京電機大学は、2026年度入試(2026年4月入学者対象)に向けて、工学部全6学科を対象に新しい入試制度「総合型選抜(とんがりAO)」を導入します。この制度は、一つの分野に対して強い情熱を持つ受験生を求めており、「とがった素養」を持つ人材が対象です。
「とんがりAO」の目的と特徴
「とんがりAO」は、受験生が持つ独自のアイデアや情熱を尊重することを目的にしています。具体的には、工学部で学ぶことを第一志望とする学生を募集し、さまざまなバックグラウンドや経験を持った受験生を歓迎します。受験資格には新たな「とんがり要件」と呼ばれる5分類・20項目が設けられ、受験生が自己申告する形で応募が可能になります。
例えば、受験生は「工学的なアイデアがSNSでバズった」「家電を分解してその仕組みに感動した」などの経験を通じて自己表現が求められます。この入試の狙いは、ペーパーテストでは測れない個々の能力や熱意を見極めることです。
「とんがり要件」の概要
1. 他者を喜ばせる製作物の経験
2. SNSでのアイデアが評価されたこと
3. プログラムコードの公開
4. 物理・化学での人助けの経験
5. 生成AIを使った便利なものの開発
6. 自前でのサーバ構築・運用
7. 家電や機器を分解・観察した経験
8. 何かを作ることに没頭した経験
9. 科学技術をテーマにした創作活動
10. 物理・化学を活用したスポーツ実績
11. お気に入りの作品についての講義
12. 科学的視点からのビジネスなどの講義
13. 歴史上の科学者についての講義
14. 相対性理論についての講義
15. 機械の診断能力
16. 徹底したテーマ探究の成果
17. 数学の公式を自力で導出
18. 科目に対する強い愛情
19. 製品開発や起業の明確なビジョン
20. 女性技術者としてのキャリアプラン
これらの要件は、受験生が自己のバックグラウンドを元に、自らの経験や情熱を語るための基準となります。進学希望の学生には、ただの成績だけでなく、自分の個性を大切にしてアピールするチャンスが与えられます。またこの入試制度は、受験生が自身の「とがった」部分を発見し、より輝ける未来へ進むための機会になるでしょう。
実施のプロセス
「とんがりAO」の入試は、2025年9月から始まります。具体的には、第一次選考が書類審査(調査書、志望理由書、とんがり報告書)から行われ、第二次選考ではプレゼンテーションおよび個人面談が実施されます。合否は10月下旬に発表される予定です。
「とんがりAO」の背景
最近の大学入試では、受験生が対策に追われるあまり、その個性を失いつつあります。東京電機大学は、一般入試とは異なるアプローチを取り、受験生の個性や意欲を重視した選抜方式として「とんがりAO」を導入することにしました。この新しい制度により、受験生が自らの個性を生かし、本学での学びを通じて社会に貢献できるよう期待しています。
今後の社会を共に創造する「とがった」人材の受験を、東京電機大学は心よりお待ちしております。