川浪秀之短編小説
2026-08-14 08:05:16
地域の心を描いた川浪秀之初の短編小説集『黒神よう子の人形』が刊行
地域の心を育む文学
2026年4月30日、佐賀市在住の56歳の作家、川浪秀之による短編小説集『黒神よう子の人形/盆鮒川浪秀之短編小説集(一)』が発刊されました。本作は佐賀県を舞台にしており、地域との深い結びつきを感じさせる作品群で構成されています。
作品の内容
収録されている短編は「黒神よう子の人形」と「盆鮒」、そして「子を抱く女」の3篇です。いずれも人間の感情や人とのつながりを探求し、心の機微を丁寧に描いています。
「黒神よう子の人形」
この短編は、伊万里市大川内山を舞台に、人形師・黒神よう子と中年男の七日の純愛物語が繰り広げられます。冷え切った家庭を持つ男が黒神よう子と過ごす中で浮かび上がる愛と孤独の情念。特に、彼の亡き夫との間に生じた確執がいかに心に影を落とすかが見どころです。本作は、2015年に「双頭の人形」として佐賀県文学賞を受賞した経歴も持ち、2018年には自主製作映画として映像化されています。
「盆鮒」
次に収録されている「盆鮒」は、佐賀市三瀬村の北山湖を舞台に、近しい人の初盆に登場する“盆鮒”の伝説を描いています。譲れない愛情と記憶が交錯する中で、元妻の姉や釣り名人の男が一緒に盆鮒を釣りに行く様子が描かれています。この作品では、鋭い観察眼で地域の伝承と愛情の重みを表現しています。
「子を抱く女」
最後に、1995年の阪神淡路大震災を背景にした「子を抱く女」は、当時大学生だった著者の実体験が基になっています。震災から数年後に開催される追悼イベントやボランティア活動を通じて、記憶の中で苦悩する主人公が描かれます。この作品は、平成の日本の歴史的な瞬間を振り返る重要な資料とも言えます。
著者の紹介
川浪秀之は、1972年に佐賀県多久市で生まれ、現在は佐賀市に在住しています。ITコンサルタントとしても活動し、作家としての道を歩み始めたのは二十歳の頃からです。独自の死生観と共に人の内面を捉える作品が多く、過去には九州さが大衆文学賞賞励賞や佐賀県文学賞を受賞しています。
発行情報
本書は編集工房edicoから発行され、ページ数は176ページ。四六版の上製本で、ISBNコードは978-4-9913193-3-4です。初版発行部数は1000部と限定されているため、興味がある方は早めの購入をお勧めします。
川浪の作品は、地域の物語や伝承を通じて、私たちの心に深く響くことを目指しています。ぜひ、彼の作品を手に取って、佐賀県の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。
会社情報
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