NTT東日本と千代田化工建設が手を組んだ次世代リモートO&M実証
1. 事実の背景と必要性
近年、プラント設備の運用は多くの課題に直面しています。高齢化や技術者の引退、地域の人材不足が深刻化しており、その結果、運転や保全を担う人材が不足しています。これに加え、設備の老朽化や災害時への迅速な対応が求められるようになり、従来の現場常駐を前提としたモデルでは限界が見えています。このような状況に対処するためには、遠隔監視やデータ活用による保全が不可欠ですが、従来の通信方式では遅延が問題で実現が難しい状況でした。
2. プロジェクト概要
このたび、NTT東日本と千代田化工建設が「次世代リモートO&Mモデル」の確立を目指して実証プロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、総務省の地域社会DX推進パッケージに選定され、シーメンスとエマソンの協力のもと進められます。具体的には、IOWNのAPNを活用し、遠隔地からでもリアルタイムで設備の監視・運営ができる新たなシステムを構築します。
実証では、千代田化工建設の横浜子安オフィスとNTT東日本の調布中央研修センターを接続し、複数のプラント設備を少人数で管理・運用することを目指します。これにより、運転品質や安全性、異常感知のスピードを向上させられることが期待されます。
3. 通信の進化がもたらすもの
IOWN APNは、高速で大容量かつ低遅延な通信を実現し、複数拠点での遠隔運用を可能にします。精度の高い設備異常検知が期待され、熟練技術者が行っていた音や振動の変化による判断を、高度なセンサーデータのリアルタイム伝送によって補うことができます。このように、ITとOT(運用技術)の融合が、近未来のプラント運用を一新します。
4. 各社の役割と専門性
NTT東日本は全体の統括・推進役としてIOWN APNの提供を行い、通信システムの実証を担当します。一方、千代田化工建設は擬似プラント環境の構築とプラントシステムの実証を実施。シーメンスとエマソンは、それぞれバーチャルPLCとEthernet -APLに対応した機器を提供し、万全の体制で実証を進めます。
5. 今後の見通し
この実証は2026年7月から2027年2月にかけて行われ、その成果は千代田化工建設の独自ソリューションであるplantOS®と統合される予定です。2027年度には具体的なプラントでの運用性の確認を行い、2028年度以降には実用的なO&Mモデルが確立されることを目指しています。これにより、産業インフラの持続的成長を促し、社会的課題解決に貢献することが期待されています。
本プロジェクトは、次世代の産業界を見据えた重要なステップと言えるでしょう。NTT東日本と千代田化工建設が織り成すこの革新は、今後様々な形で私たちの日常生活にも影響を与える可能性があります。