新サービス「ENES FIPシミュレーション」のご紹介
概要
株式会社Sassorは、太陽光発電事業者を対象とした高精度な収益試算サービス「ENES FIPシミュレーション」を新たに立ち上げました。このサービスは、FIP(フィードインプレミアム)制度に移行する事業者にとって、蓄電池運用の最適化を通じて事業の採算性を精緻に予測します。
「ENES FIPシミュレーション」では、30分単位で詳細なシミュレーションが行われ、FIP転換後の売電収入やプレミアム収入が見込まれます。また、蓄電池の活用による収益最大化のための具体的な運用計画も提供されます。
開発の背景
FIP制度への移行は、発電事業者にとって市場価格の変動リスクを引き受けることを意味します。特に再生可能エネルギーが供給過多になると、市場価格が低下し、FIPプレミアムが付与されず、大きな収益機会を逃すことになります。多くの事業者が「FIP転換の影響はどうなるのか」という不安を抱えていますが、「ENES FIPシミュレーション」は、この問題の解決策として設計されました。
シミュレーションの特長
高精度な収益シミュレーション
本サービスは、発電事業者の実際の発電データと30分単位のJEPX価格をもとに、FIPプレミアムや売電収益を正確に算出します。これにより、FIT制度との厳密な収益比較が可能になり、FIP転換の妥当性を客観的に判断するデータを提供します。
従来の手法を超える蓄電池運用計画の自動立案
市場価格データに基づき、適切な充放電のスケジュールを自動的に立てる「供給シフト」戦略を適用。価格が低い時間帯に充電し、高い時間帯に放電するスケジュールを提示することで、収益の最大化を図ります。将来的には、AI最適化エンジン「ENES」を導入し、さらに効果を高める予定です。
可視化と収益構造の統合分析
このシミュレーションでは、売電収益やFIPプレミアムだけでなく、需給調整市場参加による追加収益も統合的に試算します。様々な時間軸で収益構造をグラフ化し、事業の収益ポテンシャルを明確に可視化します。
今後の展望
株式会社Sassorは、「ENES FIPシミュレーション」を単なる収益試算ツールにとどまらず、発電事業計画全体を策定できるプラットフォームへと進化させることを目指しています。
ステップ1: 事業計画シミュレーション機能の追加
現在の「収益」シミュレーションに、蓄電池導入コストや運用費用、借入金利などのデータも反映させ、投資回収期間や内部収益率(IRR)などの高度な経営指標に基づく投資判断を支援します。
ステップ2: 予測モデルと最適化エンジンの統合
開発中の「0.01円価格予測モデル」や「48時間先価格予測機能」を統合し、シミュレーションの精度を飛躍的に向上させます。AI最適化エンジン「ENES」の導入でさらなる収益性向上を実現します。
ステップ3: 計画から実行までの自動化
最終的には、本ツールで策定した最適な事業・運用計画を当社のアグリゲーションサービス「ENES」が自動で実行する体制を整備。「計画から実行まで」のワンストップ提供を目指し、お客様の事業価値を最大限引き出します。
株式会社Sassorについて
Sassorは、AIによるエネルギーリソースの最適制御技術を核に、アグリゲーションプラットフォーム「ENES」の開発を行っています。「ENES」は、蓄電池などの分散型エネルギーリソースを制御することで、さまざまな市場での収益創出を支援しています。今後も、蓄電池を活用した収益性向上や再生可能エネルギーの普及を推進し、持続可能な社会に貢献していきます。