就活生が求める企業のDX推進
株式会社ポートのグループ企業である、みん就株式会社が発表した「みん就 2026年卒 DX企業就職ブランド調査」は、2026年卒業予定の就活生1,270人を対象に、企業のIT・デジタル活用の評価を探るものです。日本のDX化が急速に進展する中、本調査は就活生と企業のマッチングを目指しています。
調査の背景
2018年に経済産業省が公表した「DX推進ガイドライン」により、日本国内で様々な業界がデジタルトランスフォーメーションに取り組むようになりました。2020年には、デジタル技術を用いた経営変革についてのガイドラインも策定され、2022年には「デジタルガバナンス・コード2.0」が発表され、さらなるデジタル化が進むことが期待されています。このような変化を受け、就活生たちも企業のDXへの関心が高まる一方で、実際にその取り組みを知る機会が限られている現状があります。
調査結果の概要
調査では、製造業、金融、インフラ、メディア、不動産の5業界のDXブランドイメージランキングを算出。特に、メーカーや金融業界の上位企業においては、デジタル技術がどのようにサービスや商品に活用されているかが、就活生にとっての重要な評価ポイントとなっています。これは、単なる業務効率の向上だけでなく、就活生の日常生活にどれくらいデジタル技術が密接に影響しているかを重視した判断を反映しています。
DXの「見せ方」が重要
今回の結果から明らかなことは、企業がいかにDXを進めているかだけでなく、その情報をどのように就活生に伝えるかが志望度に大きな影響を与えているという点です。たとえば、ソフトバンクのように生成AIの活用を積極的にアピールする企業には、就活生からの関心が集まります。このため、企業はテクノロジーの導入状況のみならず、社会や生活への関連性をしっかりと伝えることが求められています。
今後の展望
さらに、調査結果によると、企業のDXが志望度に与える影響を認識している就活生は29.6%に上り、前年よりも増加しています。中でも、生成AIを用いた業務の効率化や自社サービスへの生成AI機能の導入を魅力的に感じるコメントが多く寄せられました。このように、企業の「生成AI活用」が、新しいDXの象徴となっていることがわかります。
結論
この調査は、就活生と企業の未来に向けた重要なデータを提供しています。企業が次世代人材を採用するためには、ただDXを推進するだけでなく、その活動をいかに効果的に伝えられるかがカギとなります。今後、SNSや各種イベントを通じて就活生との接点を持ち、DXの取り組みを見せるコミュニケーションが特に重要になるでしょう。企業は自社の技術をどのように社会に役立てているのか、その魅力をしっかりとアピールし、就活生に共感されることが求められます。