九州大学「第九」日本人初演100周年記念演奏会
2024年9月16日、福岡のアクロス福岡シンフォニーホールで、九州大学が誇る「第九」日本人初演から100年を祝う特別演奏会が行われました。この記念事業は、九大フィルハーモニー・オーケストラの前身が1924年に昭和天皇の御成婚を祝って行った、ベートーヴェンの交響曲第9番(通称「第九」)の演奏に触発されています。
当日は、約200名の合唱団による圧倒的なパフォーマンスが披露され、観客の心を掴みました。特に、100年前の演奏に合わせて日本語の歌詞を当てはめた「替え歌」形式の第4楽章や、第9全楽章の演奏は、記念すべき瞬間として多くの拍手と称賛を受けました。
繰り広げられた歴史的なパフォーマンス
演奏会は二部構成で行われ、第一部では100年前の「摂政宮殿下御成婚奉祝音楽会」の再現が試みられました。この時には、メンデルスゾーンの「結婚行進曲」や「新編奉祝歌」も演奏され、観客を一気にその時代へと引き込んでいきました。第二部では、鈴木優人氏の指揮のもと、九大フィルの学生や市民から公募された合唱団が力強い音楽を奏で、「第九」の感動的な旋律が会場を包みました。
指揮者の鈴木氏は、独唱したソプラノの澤江衣里、アルトの布施奈緒子、テノールの山本耕平、バリトンの加藤宏隆とともに、観客に忘れられない瞬間を提供しました。最後にはスタンディングオベーションが起こり、観衆の興奮が収まりませんでした。
プレトークで引き継がれる歴史
さらに特筆すべきは、開演前に行われたプレトークです。本学に所蔵されている、100年前の演奏で使用されたオーボエが九大フィルの学生によって演奏され、来場者の耳を楽しませました。この楽器が今もなお、美しい音色を響かせる姿に、訪れた人々は深い感銘を受けました。
記念事業の魅力
九州大学「第九」日本人初演100周年記念事業は、演奏会以外にも多彩なプログラムが展開されています。記念展や講演会、そして記念講義が開催され、「第九」と大学の文化創造に関する幅広い視点が提供されています。多くの人々にとって、音楽の力がどれほどの影響を持つかを再確認する機会となっています。
このように、九州大学の取り組みは、多くの人々に歴史と音楽の魅力を再発見させ、感動を与え続けています。今後も、この貴重な伝統が引き継がれていくことを期待しています。